このところ毎日のように江戸川という割と大きな川に懸かる橋を自転車に乗って渡っているのですが、ちょっと面白いことに気付きました。それは「普通の人」は歩いたり自転車に乗ったりして大きな橋を渡ることは非常に少ないということです。
特別な目的を持っている人(ジョギングをしている人とか)、他に選べない人(ホームレスでお金がないので電車に乗れない人)とかがとても多く、ふつうの街路などと比べるとそこを通行している人の人種の割合が全く異なっているのです(そういえばこの橋を最後に歩いて渡ったのは酔っぱらって朝帰りをしたときでした)。普通の人はもちろん車やバイクに乗って橋を渡るわけで、橋の歩道では全くの別世界が繰り広げられているというわけです。ドキュメンタリーかなんかで、「長い橋を渡る人々」とか撮ったら妙な映画が出来上がりそうだなと想像してしまいました。
ところで僕は橋がとても好きです。橋のイメージというとよく言われるように異界への入口という感じが一つあります。子供の時に近くに木根川橋(キネガワ堂の由来)という長い橋があったのですが、その橋は当時まだ木橋で人と自転車しか通ることは出来ず、しかもボロボロで子供一人平気で川に落ちることが出来るぐらいの裂け目があちこちにあるというとんでもない橋でした。
始めておじいちゃんに怪獣映画に連れていってもらったとき、この橋を渡って対岸の映画館まで歩いていったのですが、子供の気分としては外国にでも行くような気持ちでこの橋を渡ったのを覚えています。行ったのが映画館だったこともあり、まさに異界への入口だったわけです。行きには気にならなかった橋の裂け目が、帰りには妙にリアルに見えて下に流れる川に吸い込まれそうに感じたのは、今にして思うと微妙な変化が心の中に起きたせいなのかもしれません。


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