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20020817: 陽の当たる場所

何一つ音のしない昼下がり。
人の気配もなく、
強い日差しだけが
コントラストの強い影を作り出しているけれど、
あまりに日差しが強すぎるせいで
影の中にまで光りの粒子が入り込んでしまって
乱反射を起こしています。

僕は熱をため込んだペンキ塗りのコンクリート壁に
背中をもたれてじっとしているんです。
一瞬、時間が何処かに隠れてしまったような気がして
怖くなって空を見上げると熱のせいで霞んだ青空の中に
重そうな雲が張り付いていて
近いのか遠いのか区別もできないような空の一点を
ゆっくりと飛行機が移動していきます。

何もかもが手が届きそうなぐらい
距離感が歪んでいて濃密なのに
僕にはそれに触れる手がないのです。
僕にできることは手を失ったまま
ここにいることだけです。

僕はいっそのこと
この空間と一緒になってしまいたいと思い目を閉じる。
降ろした瞼に光りを感じて大丈夫だと思う。
でも次に目を開けた瞬間
全ては失われてしまう事を僕は知っています。

次は何処へ行こう。

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