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20020901: ピエゾグラフ

いろいろ気になって調べものをしていました。
最初に調べていたのは「ジクレー版画」というやつ。いわゆるデジタル版画なのですが、やたらに高いのでどんなものなのかと思ったのです。

で、調べてみたところ、「Iris」という出力センターなどでは昔から使われていたインクジェットプリンタで出力したものだということが判明。元のプリンタがかなり高いのですが(500万 ~1000万)、それにしてもなんでデータの劣化のないデジタルプリントがこれまでの版画と同じ値段なのでしょうか?しかもエディション制限(限定100 枚とか)までつけてる。
ちなみに「ジクレー」というのはフランス語らしくて「何かを吹き付ける」というような意味で、要するに「インクジェット」と意味は同じです。それだったら「インクジェット版画」とか「Irisプリント」とか呼べばいいのにと思ったらまたもや新しい言葉がでてきました。

それは「ピエゾグラフ」という言葉。これはエプソンが登録商標として申請している呼び方で、これも自分のところで出しているプリンタの出力を「美術品」として売り込むために作り出した言葉です。「ピエゾ」というのはインクジェットのノズルヘッドの技術の名前でエプソンのミュークリスタシリーズやキネガワ堂で使っているPXシリーズにも採用されている「ピエゾヘッド」から取ったものです。(ちなみに実力的には「IRIS」も「EPSON」もほぼ同じ。エプソンの方がやすい分、すごい勢いで普及しています)つまりどちらも「インクジェットプリンタ出力」では金が取れないから、新しくてすごそうな名前を付けて煙に巻こうという魂胆な訳です。やれやれ。

しかしまあ、ここまでは企業やギャラリーがやることですから、仕方ないといえば仕方ないかも知れません。みんな同じようにして商売しているわけですし。しかし呆れたことに作家までがなぜ企業の戦略をそのまま受け入れて、登録商標を使い、しかもこれまでの版画と同じ値段で売るのでしょうか。僕にはこれは自分で自分の首を絞めているとしか思えません。だって5万円の版画が一年に一枚売れるよりも、5000円のプリントが10枚売れる方が、どう考えたって世界にとっても自分にとっても幸せなはずです。それだけ多くの人の目に触れるわけですし、そこから新しい才能が育つ可能性だってずっと高くなるでしょうし。

「へぇ、この年賀状キレイ!」
「ピエゾグラフなの、ジクレー版画より安くていいわよ」
「???????」

いいかげん、遠回りをするのはやめようよ。

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