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20020911: おじいさんVSポストモダン

免許センターというところにいったのですが、奇妙なところでした。流山市という所にあるのですが、市とは言っても周りは畑や雑木林ばかり、そこにいきなりポストモダン(様々な時代の様式が引用されたりテクノロジーが「デザイン」になったりするようなやつ)な建物が建っています。お台場辺りに建っていれば目にも留まらないでしょうが、ここでは違和感バリバリです。

一歩中にはいるとおきまりに天井が高くあちこちに無駄な意匠が施されています。そして中には若いヤンキー兄ちゃんや管理職らしい年輩の人やOLや威勢の良さそうな鳶職人や妊婦の人や母親の付き添いで来ている25才ぐらいのお宅系の人など、そりゃもうよくもこの空間にこれだけバラバラな人が集まったもんだと思えるぐらい、いろんな人が無言で順番待ちなんかをしているわけです。たとえ電車の中や新宿辺りの街でもこの「平等さ加減」は実現しないでしょう。そしてこの薄ら寒い空間がその集団の「つながりの無さ」を強調して、なかなかにイイ味わいです。あまりに何もかもが嘘臭いのでまるでエドワード・ホッパーの絵を見ているような気がしてきます。

すると、そこにやけに存在感の強いおじいさんがいました。年はたぶん65才ぐらい。頭は白髪をキレイになでつけています。不潔な感じはしません。姿勢もしゃきっとしています。白いワイシャツを着て黒いズボンをはいています。ズボンはテカリがでていておまけにあちこち破れています。ミシンで丁寧に何カ所も縫ってありました。靴はナイキかオニツカかなんかのハイテクシューズ。全体が泥で茶色くなっています。肩からはかなり使い込まれた、感じのいい茶色の革のバッグを提げて、手にはベコベコになったステンレスの大きな魔法瓶式水筒。この組み合わせ、ただ者ではありません。一体何をしている人なんでしょうか。

僕はその人を見たとたん、それまで見ていた集団や建物が一気に相対化されるのを感じました。つまりそれまでの情報量よりも、このおじいさんひとりが持つ情報量の方がずっと多いように感じられたのです。

かっこいいーーー!たった一人でこの建物ごと相手にしちゃって、しかも屁でもないって感じです。人間かくありたいものです。

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