お菓子とオモチャ。子供の大好きなものの双璧。
この二つに共通しているのって、敷居が低いって事だ。
お菓子の必須条件。食べやすい食感と気軽な形態。
オモチャの必須条件。程良いスケール感と気軽な操作性。
どちらにも怖いことがなくて、ナマの現実に存在するものに比べるとアクセスが容易で、とにかく「今の幸せ」がすぐに感じられるように発明されたものだという気がする。
クッキーをポクッと囓って、口の中に甘い味が広がってシャクシャクと噛み砕く。フワフワしたケーキをフォークに乗せてクリームを崩さないように運んでから、柔らかく溶けるのを楽しむ。あるいは小さな人形と自分も同じ大きさになったような気持ちになって、その人形の大きさで世界を眺めてみる。小さな自動車を自分が乗った気持ちになった手でドライブさせてみる。
こういう事を想像するだけでも、僕の中にはとても甘い気持ちが甦ってくる。それはたぶん古い音楽を聴くのと一緒で、それを体験していた頃の空間や当時の自分の存在がリアルに思い出されるからなのだろう。
でももちろん人はお菓子やオモチャだけで生きていけるわけではない。お菓子やオモチャが教えてくれたのは「世界の入口」に過ぎなくて、本物の自動車を運転することや本物の女の子と付き合うことや食べにくくて美味しい魚を食べることや微妙な味のキノコを楽しむことなんかがその先にはたくさんあるのだ。
しかし、お菓子やオモチャでもないとやってられない人がいっぱいいて、実際自分もそうで(酒もお菓子の内)、そこまで追いつめて(依存させて、あるいは自分から進んで依存して)しまう「今」ってなんなのでしょ。
インターネットも匿名性や距離感の無さや容易さを考えると明らかにオモチャやお菓子の同類だって気がするな。いいとか悪いとかの話じゃなくてね。


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