小学校の三年生ぐらいの時、一家で車に乗って海だか山だかに出かけて、その帰り道。
レジャー帰りの渋滞にハマって、遊び疲れでグッタリしている気持ちに追い打ちを掛けます。外はもう暗くなり始めていて7人ぐらい乗っているのに誰も喋りません。喋っているのはカーラジオだけです。
僕は心地よい疲れと渋滞に退屈しながらなんとなくそのラジオに耳を傾けていました。流れていたのはラジオドラマでした。ラジオなんて音楽だろうがドラマだろうが、小学生の耳には大して面白くなく雑音のようなものだったので、始めはぼんやりと聞き流していたのですが、気が付くと僕はそのドラマに引き込まれていたのです。
主人公の男の子は小学6年生ぐらいで、普通に学校に通っています。ところがある日の帰り道、宇宙人が密かに地球に侵入していて、街全体が宇宙人とすり替わってしまうのです(よくある話ですが、始めて聞く小さい子の気持ちとしてはこんなに怖いことはなかったんです)。最初に近所のおじさんか何かがおかしいということに気が付いて、急いで警察に行くとおまわりさんも既に宇宙人。ひょっとしてと家に帰るとお父さんもお母さんも宇宙人、という展開です。要するにまだ人間なのは自分だけで、ひとりぼっちでいつ宇宙人にされるかもしれないという恐怖と戦わなくてはならなくなってしまうんですね。
車に一緒に乗っている家族が全員宇宙人かもしれないと思ったのは言うまでもありません。戦慄が走りました。だってこんなに誰も喋らないなんておかしい。疲れてるだけじゃないんだ、きっともう言葉を喋ることが出来ないんだ。前の車も後ろの車も乗っているのは全部宇宙人なんだ。このドラマはドラマのふりをして、まだ人間の人が危機を伝えようとして真実を流しているんだ、絶対そうに違いない。と、思ってしまったんですね。ほんとに。
トラウマドラマです。どちらかというと感謝してますが。
もう一回聞いてみたいなぁ。原作があると思うのだけど、誰か知りません?


Comment