変身話に興がのってきたので、さらに続きを。
「ゲゲゲの鬼太郎」という水木しげるの有名なマンガがありますが、あれのアニメ版の一話(前編、後編で二話分)に「大海獣」という話があります。リメイク版の方ではなくて最初に放映されたやつです。何年か前にはあの話が映画化されたみたいですが、それはみていません。よく知らないけど塚本晋也(「鉄雄」というカルト映画を撮った監督)の「海獣シアター」という名前もここからとったのかなと想像していました。
話はというと、主人公である鬼太郎がナントカという妖怪に身体を乗っ取られて毛むくじゃらのクジラの怪物に巨大化してしまうのです。でも意識は微妙に本人の意識が残っていて(ここがミソ)巨大化してしまった自分が守りたいはずの人間社会を破壊する側に回ってしまうことに苦しむわけです。
ただ歩くだけでビルは壊れるわ、人は死ぬわ(死にませんが、実際はきっと死んでます)ですから、その存在自体が許されざるものになってしまうのです。人間達はそんな怪物はとっても迷惑なので戦闘機に乗ってミサイル発射、となります。でも鬼太郎だって好きでそんな身体になったわけじゃなく、人間達を救おうと思ったらそんな結果になってしまっただけなのです。鬼太郎はこのまま自分が元の身体に戻れないなら、いっそのこと自分が死ねばいいんだと考えます。悲しみと憤りに引き裂かれる目玉親父。
「鬼太郎、ワシがきっと助けてやるぞ!」
「とうさん!もういいよ、僕はこれ以上みんなに迷惑を掛けたくないんだ...」
小さな小学生は、生まれて始めてテレビの前で「グッと来る」という経験をしたのでありました。


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