繰り返し楽しむということについてちょっと考えてみた。
例えばカラオケ。(数えるほどしかやったことないけど)同じ歌を何度も歌って、ある人は上手くなったり、ある人はひたすら陶酔し続ける。でもどんな人にも共通に起きている経験というのがあって、それは何度も歌うことによってより深く曲の中に入っていって、その曲が持つ構造とか詩の意味とかを、つまり曲の本来持っている情報を繰り返すほどに多く享受するということだ。
だいたい作品が持っている情報を一度や二度の経験で楽しみ尽くすなどということは、本来不可能に近い(奇跡的な状況に於いてはそんなこともあるだろうけど、普通はあまりないよね)。繰り返すということは、このように情報を享受するという意味に於いて快楽そのものだといってもいいのかもしれない。小さな子供が何度も同じ話をせがむのもそうだし、ゲームに於いて同じ戦闘を何千回と繰り返すのもそうだ。逆の言い方をすると繰り返せないものは、楽しみにくいものだということが出来る。
じゃあ絵を楽しむという行為はどうだろう。カラオケの例でいえば、好きなキャラクターの絵をマネして描くというのが一番近い楽しみ方だろうか。歌を歌うことに比べるとこれはかなり敷居が高そうだ。まず道具がないと始まらないから鼻歌を歌うようなわけにはいかない。それに「私は絵が描けない」と思ってる人はおそらく日本の人口の少なくとも60%ぐらいはいそうだから、これらの人は絶対にやらない(美術教育と親の偏見が非道すぎる。これがマシになれば絵を楽しむ人はずっと増えると思う。そこへいくとこのネットというのは絵を楽しむということにかなり貢献している気がする)。それにそうじゃない人だって、カラオケに行くように(例えばストレス発散として)絵を描く人なんてとっても少ないだろう。ギャラリー(見物人)の喝采も期待できないしね。そう考えると、繰り返し絵を楽しむ場として今最も健闘しているのはお絵かき掲示板なのかもしれないな。


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