「もういいや」っていう気持ちがどこかにある。さんざん焦って、焦っているが故にろくな仕事が出来なかったりもして、それでも焦ってやってきたけど、「もういいや」って思うようになった。
これは何もしなくてもいいやってことじゃない。もう充分だという意味でもない。充分でもないしやりたいこともある。強いて言えば「今の自分でいいや」という感じが近いのかもしれない。「今の自分のこのままでいい」というのはとても誤解されそうな言い方だけど、あらゆるジャンルの作家にありがちな「あの人はもう充分やったからあんなんでもいいんじゃない?もう年だし許してあげようよ」的な堕落のつもりもない。
あとはやるべきことをやればいい。評価も欲しいしカネも欲しいし自分のことを好いてくれる人も欲しいけど、それはもう今のままでも構わない。そういうのは「もういいや」なのだ。今さらそんなものに振り回されていたくはない。いや、振り回されてます、振り回されてはいるけど、振り回されつつも「もういいや」がだんだん大きくなってきていて、自分の中の中心に座ってきている。
変な話だけど、自分が何をするのかということしか生きているリアリティはなくて、その自分がすることを最期まで見届けることが出来ればそれで充分だと思う。
終わりと孤独の出会う場所で孤独がなくなるとは思っていない。でもきっと孤独という感覚は自意識そのものの属性なのであって、自意識のポジティブな解体というのは全然アリだろうと思っている。「もういいや」というのは僕が勘違いを起こしていなければ、自意識が多少透明になっていく実感の一段階のような気がするんだけどどうなんだろう?


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