「今日はお休みにしなさい!」と自分に言いました。このNEWSじゃなくて仕事の話。
薬局の前のサトウのゾウさんの乗り物に十円玉を二つ(おじさんが子供の頃は20円だったんだよ、わかったかな?あぁー昔はよかったよ。あぁー昔はよかった。あぁーよかった。よかった。若者も今みたいにふしだらじゃなかったし、ふふふふふ、ふし、ふしあな?目上の人の言うことはちゃんと聴いてくれたもんだ。もんだ、もんだ、もんじゃ?それがどうだ。どうじゃい?今じゃ「クセぇんだよこのクソ親父」ときやがる。がるがる。いいんだよ、だよーん。おじさんは一度ホームレスになって愚かな兄ちゃんにカツアゲされたあげくにボコボコにされてみたかったんだ、ボコボコ?ははは、そんな経験だって人生にはアリだろ?あるあるー!私が自暴自棄になってるだって?だってさぁー、ききました?誤解してもらっちゃ困るな。るるるるるー。私は正気さ。君らみたいなジャンキーと一緒にしてもらっちゃ困る。もういっかいるるるるー。私はだね。こんな理性が働きすぎるぐらい働いてしまうおじさんとしては、アルコール度95度ぐらいのキックもたまにはいいだろうと思っているだけなんだ。パンチでもいいぞ。さぁきなさい。ところでそこの君、君は誰だっけ?ああそうか今度新しく入ったバイト君だったね。え?バイト君っていう言い方はおかしいって?オヤジみたいだから止めろと?OK,OK。え?オーケーって言わないでくれ?何がそんなにおかしいんだい?まあいいさ。君らにはわからんだろうが、そういってる君らだって私と変わらないのだよ。君らが何故そこで笑うのかを私は知ってるからね。え?おめぇになんでそんなことが分かるのかって?がはは。俺も笑っていたからに決まってるじゃないか。そんなことも想像つかないのか。俺もお前らぐらいの時には想像つかなかったよ。わりぃ、わりぃ、りぃ、りぃ。俺とお前らはつまらん仲間同士で、これから傷つけあってみようというわけだな。OK,OKあ、オーケーは禁止だったな。わりぃ、わりぃ。え?わりぃもいやなのか?わがままな子だよぉまったく。なんだ、おじさん、おばさんになっちゃったじゃないか。勘弁しておくれよ。いけすかないったらアリャしない。こんな年になるとね、そりゃいろいろありますよ。見た目なんて、っていったところで、そりゃアタシだってチヤホヤしてもらいたいよ。でもこのお腹じゃねぇ?見た目にカネ掛けたところでたかがしれてるでしょ?どうせそんなだったら今が楽しい方がいいじゃないか、ええ、そうですともアタシはアル中ですよ。なんか文句あります?子供だって今じゃ立派にやってますよ。これ以上アタシに何をしろと?アタシが子供の頃には20円で天国にいけたんだ。あんたはそんなこと信じないだろうがそんなことは知ったこっちゃないよ。)入れました。
なんの話かもう覚えていないでしょ?そんなわけないか。薬局のゾウさんです。知らない人もいるのかな?20円入れるとブインブインと動きます。今はいくら?最近乗ってないので分かりません。でも薬局の前で稼働中のゾウさんは見ませんね。で、入れました。薬局の前で。ブインブインブインブインブインブイン。すると店の奧から薬局のおじさんがでてきました。「ボク、天国へいってみたいかい?見てみたかったら、ついておいで」僕はおじさんのいわれるままにゾウさんからおりておじさんのあとをついていきました。薬局の横には幅50センチぐらいの隙間があってそこに入っていったんです。おじさんは体を横にして進んでいきます。おじさんは白衣を着ていたけれど、白衣が見る見るうちに壁の埃で真っ黒になっていきます。でもどんどん進んで行くんです。僕の心臓が壊れそうなぐらい暴れてきました。そしてもう我慢できないから引き返そうと思ったときに小さな扉がそこにありました。「おじさんの役目はここまで、あとは君次第だ」僕の前には扉があっておじさんは行ってしまいました。この扉を開ければそこは僕の世界。引き返せばいつもの世界。そう思いました。
僕は。
僕は。
僕は。
僕は扉を開けたい。
木で出来たみすぼらしい取っ手に手を掛けると電流が走りました。そして手を掛けたとたんに扉が開いたのです。
目の前が真っ白になりました。
「ようこそ」
男の人の声が聞こえました。
「あなたは自分のしたいことがしたい、そうですね?」
僕は生まれて始めて「あなた」といわれて僕は大人になったのかもしれないと思いました。
「私はなにも用意できません、あなたにしたいことがあれば、それが用意されるのです」
僕の頭の中も真っ白でした。プラモデルを好きなだけ欲しいと思っていたのに、それはつまらないことのように思えました。お菓子を好きなだけ食べたかったのにそれもつまらないことのように思えました。友達と死ぬまで遊んでみたいと思っていたのにそれもつまらないことのように思えました。もう一度お母さんのオッパイをいつまでも触っていたいと思っていたのにそれもつまらないことのように思えました。お父さんから褒められることも、先生の喜ぶ顔も、全部嘘なんだと思いました。僕は何がしたかったのか分かりませんでした。何がしたいのか分からないので物凄く恐くなりました。ほんとに恐くなりました。
僕は、
僕は
ボクハ
ボ ク ハ
........................................................................
...................................................
........................
「残念です」
男の人の声がしました。
「え?」
「あなたなら見つけてくれると思ったのですが、どうやら私はまたしても失敗してしまったらしい」
「え?失敗?」
「ほんとに残念です」
「え?僕はどうなるの?」
「申し訳ありません」
「え?どういうこと?」
「許して下さい」
「え?なに?やだよ、恐いよ恐いよやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてーーー!!!!!!!!」
電流が走った。僕はわかった。
僕は薬局のゾウの上に戻りたい。
オレンジ色のゾウの上に。
あそこは僕の場所だ。
僕はゾウの上で、ゾウの上から。
「オメデトウ.........」
と、男の人の声が聞こえたような気がした。
ブインブインブインブインブインブイン、ブイーーーーン
..................
さようなら、ゾウさん。


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