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20030121: Wasteland Express

express1.jpg遙か遠く、どこともしれぬ凍てつく大地を走る、それが「Wasteland Express」。黒く馬鹿げた機関車が冷たい大気を燃料として秘密の圧力機構と往復運動でその固まりを前進させる。その機関車の吐き出す息は両生類の欠伸のように甘く胎生鳥類の囁きのように暖かく、身が骨のように締め付けられる寒気に慣れた裸子植物達は黒い怪物の吐き出す息に怖れおののく。

express2.jpg列車の中は虚構接続からはみ出した者達の夢の世界。一歩足を踏み入れれば、26時前に投身自殺した社長が考案したといわれる足裏健康法にも最適な、程良い硬度のチリビーンズにも似た無脊椎動物のムリオスペル・リステラーゼが床一面に繁殖し、自らの分泌した体液で濃度濃いめの楽園を作り上げています。

express3.jpg申し遅れました、ワタクシ、ランディオット・喜一郎と申します。喜一郎でけっこうですよ。一つだけ注意しておきますがワタクシの喉が膨らんでいるときには話しかけないで下さい。何をするかわかりませんから。爆発したくなるかもしれませんし、目に見える毛を片っ端から一本一本抜きたくなるかもしれませんし、爪という爪に小さな穴を開けずには居られなくなるかもしれませんから。でもご安心下さい。耳の穴から前頭葉を啜ってみたくなるのはたまにしかありません。

express4.jpgああ、また「困ったもの」が生えてますね。でも大丈夫、あと一時間もすれば蠅男達の晩餐会が始まります。奴らはほんとに趣味が悪いので「困ったもの」が大好物なんですよ。「困ったもの」の正式名称はマイッチングマチコチャンというらしいですが由来は謎に包まれています。異説によりますとキョーテーハニーだとも言われていますが、菌類の一種であることは確かです。ムリオスペル・リステラーゼの繁殖状況が臨海点を超えると爆発的に生成されるのです。両脇に立っている二人の男はマイッチングマチコチャンの研究家として有名な「無名の兄弟」です。皆からはクロオチャン一号二号と呼ばれています。

express5.jpgしまった!
また「パンツを履き忘れた夢を見た女の子」が乗車している!これが一番始末が悪いんです。何を言っても上の空だし、何か喋ったかと思うと「ここは私のお城よ、お黙りなさい」としか言わないんです。ワタクシはこれも菌類の一種かと思って居るんですが、ひょっとすると新しい乗客なのかもしれません。何しろ乗客認定を行う車掌はムリオスペル・リステラーゼの中から突然変異が生まれるのを待つしかないのですが、やっとの事で生まれても60秒しか存在しないので、せいぜい2種類ぐらいの認定しか行うことは出来ないのです。

express6.jpgさあ、ここがあなたの席です。
ではごゆっくり「Wasteland Express」の旅をお楽しみ下さい。

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