もう二千って響きにも慣れちゃった頃だ。俺は電車の中でずっと小さな乗り物のことを考えていて、ちょっといい気分だった。小さな乗り物の絵を描こう。そんでそれを動かそう。どこを走らせよう。どんな奴を乗せよう。どんな奴に会わせよう。そこはどんな光で満たされていて、どんなエネルギーで成立している世界だろう。どんな生き物がいてどんなものを食っているんだろう。
そんなことを考えていたら、オモチャが欲しくて欲しくてしょうがなかった頃のことを思い出した。お年玉をはたいても買えないような秘密基地や、大きな自動車。そして今、自分は、どこにも売ってない、自分が欲しいものが作れるんだと思った。その気になりさえすれば。自分が行きたいところにいけるし、なりたいものになれる。その気になれば。その気で行こう。


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