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20040714: 遠くに行こう

遠くに行こう。
遠いところは知らないところ。
知らないところでは目がひらき耳が聴く。
毛穴が拡がり胸が膨らむ。

安らぐ場所を求める必要もないし
アイスを食べればそこが自分の場所になる。
ほのかな風が汗を乾かすのがわかる。
次はどこに行こう。

そのあたりに一軒きりのパン屋の前に出されたベンチで
大きな欅の涼しげな葉っぱが強い光に透けるのを眺め
その黄緑色の鮮やかさに吸い込まれると
海が近いことを知る。

急がないと夕方になってしまう。
夕方になってもかまわないよ。
かまうものか。
夜になって行く場所がなくてもかまわない。
そうだ。知らない人に話しかけよう。
聞いたこともない名前の魚の捕まえ方や
その人の子供の学校のことや
次の日の天気のことなんかを聞こう。

でも一時間もすれば
その人は家に帰るだろう。
ぼくはどうしよう。
海を見に行こうか。
夜の海は恐いんだ。
海が目の前にいることで
ホントに一人になったような気持ちになる
恐い海を見るのが好き。

暗くて重くて生きている海
その海の前で
ぼくは何もすることがなく
いたたまれなくなる

あまりに我慢が出来ないので
ぼくは目をつぶり
夢を見始める。
波の音が波の音ではなくなってきて
自分の体の中から聞こえてくる

ぼくが見る夢は
夢を超えようとするのに
夢の中にとどまるだろう
だから
目が覚めてしまうんだ

暗い空がもう一度明るくなるなんてことが
信じられなくなる
でもそのときに
ぼくは遠くへ来たと思うだろう

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