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20050420: 絵の話

ほんとの理由はわからないけど、かなり長い期間質感を描き分けることに抵抗を感じていた。見た目的にはリアルかもしれないけど、絵という物質的にはリアルじゃないように感じていたのだ。だから、油絵とかテンペラで絵を描いていたときには、対象の立体感は描いても(それにさえ抵抗を感じていたんだけど)、質感は可能な限り均一化して、色の力を引き出したいと考えていた。

ところがもう一方で模型(今風に言えば造形)への、これまた強力な志向があって、そこではいやってぐらい質感を求める自分もいたのだった。つまり、平面では許せないことが立体だとまっしぐらになれると。でも、そんな風に引き裂かれているのは結構辛かったりもするので、何とか統合したいと思い始める。そこで始めたのがミクスドメディア系のオブジェ的な作品だったと。

マチエールという単語があって、これは絵肌とかを表現するときに使うんだけど、対象の質感を写真的で擬似的に再現するのではなく、絵という物体の質感そのものをコントロールすることでなんとか二つ欲求を統合できないかと考えたわけだ。これはこれで沢山の人が試しているし、一つの表現形式として完成できるような魅力を持っていると思う。

で、そんなこんなで今はデジタルをやっている。なぜここに繋がるのか。それはデジタルがただの夢に過ぎないからだ。その分潔く質感を再現することに抵抗を感じなくなることが出来る。他の理由もある。それはデジタルがマスに訴えることが出来るもっとも手軽なメディアであり、なおかつリアルプロダクトに(3Dデータでバイクの絵を描いて、それを元に実車を作るとか)、最も移行しやすい手段でもあるからだ。

この移行で捨てたもの。それは額に入るような「絵画」だ。置き場に困るような「絵画」だ。だからと言って、平面作品の物質性を無視しているわけじゃない。それを無視しているんだったら、プリントの質になんてこだわらない。ただ、新しい作品のあり方がまだ見えていないだけなのだ。

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