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20070225: 喜びの湿地帯

久々に絵を描きまくっている。次の個展で、箱ではなく、絵の新作もお願いしますと要求されたことがあるだけでなく、そのほかにも絵で結果を出さないといけない仕事がいくつかあって、丁度いい機会だからと、ホントに久しぶりに自分の絵の技量を、その放り出したくなる稚拙さを含めて味わっているところなのだ。

意外なことに(本人は意外だと感じたのだ)、これが結構楽しかったりする。下手だということは喜びの源泉だ。なぜなら、下手であるからこそ発見があるからだ。そんなのプロじゃないと、誰かさんは言うかもしれない。でも、それさえもどうでもいい。そういう話はリクルートチックなHOW TO本にまかせておけばいいのだ。

日本における職人という言語概念は、否定するどころか好きだったりもするんだけど、現代における職人、もしくはプロフェッショナルという言語概念には違和感を感じる。なぜならそこには、作家個人における創作の喜びという、もっとも原初的で幼稚で、なおかつ最重要な価値の居場所があまりにも少なすぎると思うからだ。

なにかが下手な人間には、もしくは下手だと感じる人間には、喜びの湿地帯が広がっている。そう思う。この喜びはもちろん安易ではない。だって湿地帯なんだから。別にマゾヒストじゃなくたって、沈むことも喜びだと、あえて言い切るぐらいの元気は、誰にだってあるんじゃないかと思うのだ。生きてる限りはね。

そんなわけで、この馴染みの湿地帯を進んでいる作場は、例によってちゃんと展示に間に合うのかという危険も孕みつつ、いい感じで毎日の一歩を、ずぼり、ずぼりと歩んでいるのです。

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