いや、お店じゃなくてもいいんだけど、例えばコレクターのお部屋が目指すところはやっぱりお店なんだよなと思うわけで、システムキッチンにびしっと整理された調理器具とか、壮観な食材が詰め込まれた冷蔵庫とか、「見せる収納」とかの理念によって整理された洋服とか、そういうのを見てると、お店だなぁとしみじみしちゃうのだ。
気持ちはとても分かる。駄菓子屋丸ごと欲しかったし、プラモデル屋丸ごと欲しかったし、デパート丸ごと引き出しの中にしまっておきたかったし、遊園地丸ごと屋根の上に載せておきたかったし、このお菓子屋さん、全部地下室に入れおいてね、とか言いたかったし、そんな願望に振り回されるほどにはままならぬ少年時代を送ってきた身としては、とにかく「とても分かる」ことなのだ。
そしてその気持ちと、際限ないほどモテたいとか、賛辞と拍手にまみれてみたいとか、誰もが自分に笑顔を見せてくれるとか、朝起きたらやっぱり出来るんじゃんと思うような才能が身についていたとか、ってことは、全く同じことなんだろうと思う。
でもさ、「それどうすんの?」って思うほど過剰な欲望であることも事実なんだよな。だってそんなに沢山のオブジェクトの面倒を見るのってとってもウザイ。埃かぶるでしょ。腐るでしょ。嘘でしょ。箱の中身見たことないでしょ。そんなに乗り回せないでしょ。
かく言う俺も面倒見切れないほどの本だの金具だの道具だのジャンクフードだのオモチャだのに囲まれて暮らしているわけで、人のことなんて言えたもんじゃないし、言うつもりもないんだけど、このお店願望はとんでもないパワーで誰もの心を蝕んでいまくる。その勢いと強制力といったら海よりも広くどんな山よりも高いぐらいだ。どんな例えだよ、それ。
でもこれって、物凄く男の子的なことなのかもしれない。女の子だったら、そこで「いらっしゃいませ」と言いたいかもしれないけど、そんなことはこれっぽっちも思わないもんな。


最近、人の中に内在する少年性・乙女性に対して興味のある友人と話す機会がありました。その中で、駄菓子屋さんみたいに色んな物に囲まれてるとか、その中から100円分だけ選ぶことのワクワク感って何だか少年っぽいよね、っていう話になったんですよね。あとカードダスをコレクトする感覚とか、それを丁重にまとめて引き出しに仕舞っておきたい感覚とかも。
でも、例えば資金力があって、駄菓子屋さんを丸々一個ポーンっと買っちゃったとしたら、手に入れた途端にそれが今まで持っていた魅力をなくすような気もするんですよね。それってめっちゃ「大人買い」な気がします。
思うに、あの頃のワクワク感というのは、絶対的に手に入らないことや、その中から選ばないといけないこと、それによって積みあがる思い出とムクムクと抑えきれない願望による箱庭世界なのではないかと思うんですよね。
そう考えると、サクバさんが今持っているお店願望も、サクバさんの中にある少年性なのではないか、と思ったりもします。
同感。ガキの頃はそうでしたよね。で、少しだけ時間と金に余裕ができた今はその反動かゲーセンに行ってみたりフィギュアを買ったりしちゃうんですよ。
もうちょっとロジカルに展開しようとしたら、頭混乱してきた。頭弱いのう。
男の子的には、ハンターとしての欲望と、コックピットや職人の工房みたいなところで沢山の道具を使いこなす感じと、あとは食欲、性欲などの、生き延びるための物が揃っていることの安心感と… てな感じでいろいろ並べていったんだけど、どうも言いたいことの本質から離れていってるみたいだ。
あ、それと今の俺はお店願望は凄く薄くなったよ。作品の中だけで充分なぐらい。