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20120615: 旋盤に夢中:サカイマシンツールML-210

前回の日記を書いてから何をしていたかというと、ずっと小さな旋盤をいじっていました。どうやら完全にハマってしまったようです。

元々、工場や工作機械は大好きで、というか生まれ育ったのが下町のプレス工場なわけで、絵のモチーフにも散々使ってきたわけですが、じゃあ自分で金属加工をやるかというと、これはまったく別問題です。でもオートバイや自転車や機関車などの乗り物に限らず、旋盤加工された部品の使われた作品とか見てしまうと、もうほとんどジェラシーに近い気持ちが湧き上がってくるのが抑えきれず、いつか自分でもやってみたいと思い続けてきたわけです。

そんなところへ7年ほど前にGullCraftから、小さな旋盤を貰いました。サカイマシンツール ML-210というミニ旋盤です。旋盤の中でも最も小さい部類の可愛いホビー用のものです。しかし手に入ったはいいものの、バイト(旋盤で使う刃物のことです)の見分けもつかず、こんな小さな旋盤は大した加工は出来ないだろうとたかをくくって、箱作品を作った時のLED電球の成型や小さなビンを削るときに使ったぐらいで、ろくな使い方をしてこなかったのです。しかしその後に自転車にハマって、やたらにアルミを削りまくるようになり、旋盤が使えればライトだのミラーだの何でも作れるのになぁ、と思うようになり、試しに懐中電灯を削ってみたところ、意外とイケるじゃんということになりました。でもまだ、この段階では火がついていなかった。最終的なきっかけは前回の日記のベルトエンジンです。なんでベルトエンジンのリューターから旋盤に行くの?とお思いでしょうが、要は見た目から入るタイプなのです。あれがあまりにカッコ良かったので、それからというもの工作機械の画像を漁りまくり、世の中にはこんなかっこいい旋盤あんなかっこいい旋盤があるのかと、俺もそんな旋盤でバリバリ削って自分で考えたものを作りたいぜ、となってしまいました。

しかしML-210はお世辞にもかっこいい旋盤じゃありません。元はこんなのです。
120615-0.jpg
なんで緑色なの?なんでこんなに角ばっているの?これじゃ全然愛せません。しかしそこに救いの手が差し伸べられました。「ミニ旋盤を使いこなす本」という本です。もう旋盤を始める人は全員読んでいるんじゃないかというぐらい、素晴らしい旋盤の教科書らしい。これを見ると、旋盤の詳しい使い方に限らず、旋盤自身を使って旋盤を改造するワザが詳細に解説されています。おお、これなら俺の旋盤もカッコよく変身出来るんじゃないか、という気になってきました。それからはもうまっしぐら。毎日旋盤をいじる日々の始まりとなったのでした。

まずはそこらじゅうにガタと錆が出ていたので、全部を分解し、清掃と調整、ついでに筆塗りで黒のペンキを塗りました。スイッチを交換し、台を作り、ハンドルを全部作り直しました(死ぬほど使いづらかったのが、ウソみたいに使いやすくなった)。そして今はこんな感じになってます。120615-3.jpg120615-1.jpg120615-2.jpg

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ハンドル以外にもアクセサリーをいくつか作りました。これは歯高ゲージと雄ネジを切るためのダイスホルダー。120615-4.jpgアルミの朝顔ハンドルと割出用のギア。朝顔ハンドルは元は全体に太くてあまりに不釣合いだったので、かなり削っています。こういう加工は自転車で鍛えられたのでお手の物です。ついでにバランス取りもしてあるので、2000回転で回しても平気です。

しかし金属加工はお金が掛かります。旋盤にはその用途によっていろんなアクセサリーが必要になるのですが、これを貰った時にはそんなものは皆無で、全部一から揃えなければなりませんでした。例えば今つけている釣り合いハンドルの根元には本来目盛りリングが付いているのですが、このリングを作るためには目盛りを刻むための割出装置と滑り止めのギザギザをつけるためのローレットホルダーが必要になります。でもそんなものは持っていないのでどこかから調達してくるか、自分で作るしかないので現在製作中です。その他にも、ここに写っているドリルチャックだの回転センターだの四つ爪チャックだのは、みんな海外通販とオークションです。半額から10分の1、モノによっては100分の1ぐらいの値段で入手してます。これらが無かったら貧乏人には手が出せないです。とは言え、油絵を描くのだって1本何千円もする絵の具やキャンバスが必要だし、自転車だってそれなりのお金が掛かるわけで、それらと比べればまあ似たようなものかなと。120615-5.jpgいくら旋盤で旋盤が改造できるといっても材料がなければ話になりません。これはこつこつと溜め込んでいる真鍮材料。たぶんもう20kg以上あると思う。120615-6.jpgこれは精密計測用の計測器(手前がベベルプロトラクターという角度計。奥のスナップメーターというマイクロゲージは俺には必要ないものだけど、ダイアルゲージと一緒に付いてきた)120615-7.jpgそんなこんなでサクバ小屋の畳敷き工場もだいぶ工場らしくなってきました。こうなってくると後はフライス盤が欲しくなる。でもキリがないので旋盤がひと段落したらまずは金属で作品を作ります。目指せ工場長。
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【関連リンク】
旋盤日記:Lorch LL Latheレストア-その1
旋盤日記:Lorch LL Latheレストア-その2

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Comment(2)

この使用後の旋盤、ものすごく美しい。
アンティークミシンみたいです。
サクバさんてなんでもできるんだなあ。

ありがとうございます。もう完全な機械オタクになってますね。何でもできるには程遠いですけど、必要なことは何でも出来るようになりたいものです。

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