April 2015Archive

振動をコントローラビリティの支配下に置こうとするならば、軽量化が最大の武器になる。振動を抹消しようとするならば重量化が最大の武器になる。それが音であろうが建築であろうが乗り物であろうがその法則は変わらない。つまり、目に見える、あるいは感覚の範囲内にある振動と共にあるときには、人は自分の身体を振動に共鳴させ、感覚の範囲外に現象を追いやろうとして振動を消そうとするときには、人は自分の身体を沈静化する。しかし、目に見えない沈静と目に見える共振に優劣があるわけではない。なぜなら、そのどちらも振動の範囲内にあるからだ。優劣は便宜的なものに過ぎない。ただし、今何が必要とされているのかは別問題だ。今自分が必要としている振動に身を任せる技術こそが重要なのだ。

150417-01.jpg本体の肩の構造の続き。まずPULL-PULL方式になっていなかった横方向への回転をPULL-PULL方式に変更する。なぜそうしていなかったのかと言うと、プーリーの下側から出るケーブルが他の構造物に干渉して上手く取り回すことができなかったから。そこでプーリーを前面に移動してケーブルが干渉しないようにした。ついでに、これもどうしようか迷っていた前後方向の回転もちゃんとPULL-PULL方式で可能なようにアウターストッパーの作り方を考えた。

そしてやっぱり気になる肩甲骨のデザインを元から考え直す。まず鎖骨と肩甲骨の上部を一体化。肩甲骨自体は2分割として、作りやすく、剛性が確保できて、しかも理にかなうデザインに変更した。さらに肩甲骨の上下運動を作るケーブルの取り回しに関しては、首の根元のスペースが思っていたよりもずっと狭かったので、斜め後ろに引っ張るように変更。このデザインは元のデザインに近づいただけでなく、垂直にケーブルを引っ張るタイプよりずっといかしてるんで気に入った。(※これじゃ上手く行かないのに気がついた。とりあえず元に戻すことに:4/22)ただしこの絵の通りにアウターストッパーを作るのはかなり難しいので、たぶん分割式に変更されるだろう。


150417-03.jpg150417-04.jpg変更点をさまざまな角度から検証してみる。まあ矛盾無く作れそうだ。ついでに背骨に関してもデザインを決めてしまおうと思ったが、裏側の見た目がネックになって決めることができなかった。これは時間をおいて再挑戦しよう。

記事の流れ的には唐突だけれど、さんざん全体の動きだの滑らかに動くだの言っておきながら、肝心のリンケージを公開してなかったので公開しておく。まだ納得の行く動きにはなっているわけではないので、細かい変更はたくさんあるとは思うけれど、なんとなく雰囲気は掴むことができるのではないかと思う。


使用しているソフトはLinkage3というフリーのリンケージシミュレーターソフトでここでダウンロードできる。通常であればCADソフトを使って、さらにプラグインを入れたりして確認しないと出来ないようなことを、非常に直感的にシミュレーションしてその整合性などを確認することができる。日本製のもあったりするんだけど、これが一番使いやすかった。

動きそのものについては、まあエロい。だってこれが一番最初にやってみたかった動きなんだから仕方が無い。でもこれを連続的に動かすことだけを想定しているわけではなくて、この動きがもたらすそれぞれの瞬間のポーズが重要だったりもするのだ。実際に手や頭の動きと組み合わさるときには、むしろそっちのほうが大事になったりするんじゃないかと思っている。そしてその前提で考えると、まだ途中のポーズが美しくないので調整中というわけだ。


こちらは現在考え中の手のリンケージテスト。リンク機構の設計って、どっか頭の中のまったく使ったことが無いような部分を働かせないと出来ないようなところがあって、それが面白くもあるんだけれど、自由に想像力を働かせられるようになるには、未だに程遠い状態だ。

40本のケーブルをいかにして思いのままにコントロールするか?この作品を考え始めたころは、ケーブルを1本1本指で引っ張ることしか思いつかなかったので、ケーブルの数なんて10本が限界だろうと思っていた。しかしその後、コントローラーの形は基本的には本体の構造をトレースすればよいことに気づき、さらに操り人形や人形浄瑠璃のように、手や肘を持って動かせば1本1本を操作しなくても全体の表情が作れるようになるのじゃないかと気づき、それだけでは動かせない頭などは指に割り当てればよいというこで今の大まかな構想が出来上がった。しかしそれでもめいいっぱい欲張っているので一筋縄ではいかないことは確実だ。


150413-07.jpgまずは親指ジョイスティックの検証。親指は眼球の操作と頭の操作に割り当てられる。それぞれ前後と左右に動かすことができて、斜めに動かせばそれらの動作は複合される。動ける範囲は前後が小さく左右が大きいので、眼球であれば前後が上下に、左右は左右に割り当てられる。

人差し指は手を握ったり開いたりする動作。この動作はPULL-PULL方式なのでレバーには指が入る穴が開いている。手の構造はまだ大雑把にしか考えていないけれど、可能であれば1本1本の指が順番に握ったり開いたり出来るといいなと思っている。でもかなりの作り込みが必要とされそうなのであくまでも希望。

中指は手首のスナップ。これは特に説明の必要なし。そして人差し指と中指の掛かるレバーは左右にスイングするようになっている。これが手首を横に振る動作。薬指に割り当ててもいいのかもしれないけれど、薬指では自由に動かすのは難しいと判断した。

グリップの根元は前後左右に回転するようになっていて、それぞれ肘の曲げと回転(手首を返す)の役目をする。これらの動作は本体のレバー比のそれぞれ約4倍と約3倍に設定されていて、例えば肘の曲げであれば本体側では約150度の可動範囲を持っているところが、コントローラー側では40度弱の回転で肘を最大まで曲げることができる。こうすることで操縦者に無理の掛からない可動範囲内で本体を操作することが可能になる。


150413-08.jpg次に肩の操作を考える。複雑で頭が混乱してくるので色つきボールペンが登場。レバー比は肩甲骨の部分を除いて2倍程度にしている。そして本体ではプーリーを多用しているけれど、レバー比が大きいとプーリーも巨大になってしまう。これは作るのも大変だし動きの干渉にも影響するので、なるべく直線運動で構成できるように考えている。

重要なのは、本体にさせたいポーズが、本体側では干渉無く動ける範囲なのに、コントローラー側での干渉や操縦者の身体が追いつかないことによって不可能になってしまうような事態を起こさせないことだ。そしてもう一つ、それぞれの関節の動きの軌跡をなるべく差別化して、グリップを握った状態のまま個別の関節を操作できるようになっていないといけない。例えば肩をすくめるような動作。これは腕を動かさずに肩甲骨だけを上げるわけだけれど、グリップから手を離さずに、グリップを前に押し出すようにすることで動かせるようになっていればベストだということになる。


150413-09.jpg少し形になってきたと思ったところで、本体側で曖昧に考えていた肩の構造がどうにも気になってきて先に進めなくなった。腕の横方向の回転もPULL-PULLにするべきなんじゃないかとか、可動範囲をどの程度まで見込んでいたのかとか、仕方が無いのでまた本体の肩の構造に戻ることに。

150413-01.jpg150413-02.jpgこの作品の制作順序は、フレームから作り始めることになる。フレームが出来ない事には、いくらお気に入りの顔を作ったところでつけることが出来ないし、動作確認もままならない。とにかくフレームが重要なのだ。

前回までのところで、高さの確保と可動ペダルの構想までははっきりしたが、まだ問題は山済みだ。可動ペダルに関しては、前回の段階では駆動シャフトを伸縮させることで対応させるつもりだったけれど、この方式だと、位置を変えるたびにネジを緩めなければならなかったり、角度に制限が出たりするはずなので、これをリンケージで繋いでいく方式に変更した。この方式ならネジを緩める必要もないし、簡単に自由な位置に移動することが可能になる。

次に作品の昇降にラックアンドピニオンを使うのを止めて、動滑車を使ってみることにした。こちらの方式のほうが消耗に強そうだし、壊れるとしてもケーブルが切れるぐらいなのでメンテナンスも楽だろうし、支柱の底に動滑車を取り付けるので、持ち上げる重さは半分で済むことになる。作る面倒は、おそらくラチェット機構を組み込むことになるので手間としてはそれほど変わらないだろうと思う。

しかし斜め向きの絵を描いてみるとなんか違う。一番気になるのはケーブルを避けるために広げたフレームの幅で、構造的にも見た目的にも無駄が多すぎる。そしてずっとほったらかしだったケーブルのコントロールセンター(要は長すぎるアウターケーシングの中継地点だったり、ケーブルアジャスターの集中管理だったりする場所)についても考え始めてみる。


150413-03.jpgまずはフレームの幅を必要とされる最小限のところに絞った形にしてみる。


150413-04.jpg150413-06.jpgそしてケーブルのコントロールセンターを考える。ところがこれを真剣に考え始めたら、どんどん大げさな装置になってしまった。

現状、ケーブルの数は40本の予定になっていて、総延長は100Mを越える予想だ。これらのケーブルアッセンブルするのに、例えばケーブルの初期伸びを取るだけでもかなり面倒な作業になるだろうと思う(自転車などではケーブルの初期伸びを取るのに1本、1本力いっぱい引っ張ったりするのだけど、あれを40回やりたいとはあんまり思わない作業だ)。だったら、40本まとめてテンションを掛けられるような装置にしてしまえばどうかと考えたわけだ。もちろん1本、1本個別の調整は必要になるだろうけれど、これがあれば随分楽になるんじゃないかと。それともう一つ、今回の作品では本体側やコントローラー側で、あまり無理な力でケーブルを引っ張ったりするようなことは避けたいということもある。まあ見た目的にはなかなか面白い形になっているし、どこまで有効に機能してくれるかは作ってみないことにははっきりとは判らないけれど、作ってみたい形になっているという点では合格だ。

このぐらいアイデアが出てくれば、次は原寸で検討してもいいかという所だけれど、その前にまったく手をつけていないコントローラーに付いて考えておかないと。

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