死ぬことを楽しむゲームを作ってみたいと思っていた。死ぬっていってもゲーム上で死ぬに過ぎないんだけど、死ぬことが目的であるようなゲームが作りたかった。
死ぬことがリアルであるためには執着が必要だ。だから、システム的に執着を演出する必要がある。大量のアイテムやそれを魅力的にするステータスが必要だ。もし、それがオンラインゲームであるならばコミュニケーションの演出は非常に有効だろう。どこまで自分のキャラに感情移入させることが出来るかが勝負だ。
その上で得たものを失わせるステージを用意させる。得たものを失うことでしか進むことが出来ないステージ。それはラストステージなどではなく、常に対極として存在するステージだ。最初はトレーニング的であっても、最終的には得たもの全てを投げ出さなければクリアできない。アイテムはおろか、育てたステータスもゲーム上で得た関係も御破算にしないとクリアできない。そしてそのステージをプレイすることは強制しない。死にたくない人は永遠と悦楽的なシステムの方だけを遊んでいればいい。
それでも、やるひとはやるだろう、と思っていた。少なくとも自分だったら絶対やるし、やりたい。でも沢山の人がそう思うかはまったくわからない。クソゲーの烙印を押されて終わりになるかもしれない。別に構わないし、いいたいヤツにはいわせておけばいい。俺はやりたいんだから。
自分から進んでそれをクリアしたときに、いったいどんな気持ちになるのかを経験したいと思ったんだ。というか、その気持ちを自分はあらかじめ知っていて、それを表現してみたいと思ったんだ。
トップページが変わってから何カ月も経つので、知らない人は知らないと思うけど、[ru]というのはこれからここでやりたいと思っているプロジェクトに付けた名前だ。それはゲームになるのか、ダラダラしたわけのわからないもになるのか今の段階でははっきりしないけど、この「自分から死ぬ」ということを引きずっているのは確かだ。たぶんここに書いたような、システムを表現にすり替えるようなことは出来ないと思うし、やらないと思う。でもここで言いたかったことはシステム的なアイデアの披露ではなくて、「やってみたいなにか」か「知りたいなにか」なんだと思う。