テレビでやってたのをつい見ちゃいました。
ビデオあるのに、テレビでやってるとつい見てしまうのってなんででしょう?「見逃しちゃいけない!」って感じになるからでしょうか?それともテレビで見た方が微妙にライブな感じとか?(おんなじだっちゅうてんねん)
まあ、理由はともかく見てしまいました、トトロ。
しかし何度見ても(多分20回ぐらい見てます。一人だったらこんなに見てないと思うんだけど、子供がいたりすると、つい釣られてみてしまうんです。これはゲームもそう。やってもいないのにやたら詳しいゲームがいくつもあったり)宮崎駿はセンスいいなぁと思います。とにかくリズムとメリハリが素晴らしい。短時間だったらこういうセンスの良さを持っている人はたくさんいると思うのですが、映画のような1時間以上になる作品で全体を見渡しつつ、高いクオリティを保てる人ってほんとに少数だと思います。
僕の考えでは、このセンスの感じられない映画は駄作です。見てるのがツライ。絵で言えば色がダメな絵と同じです。色がダメな絵はどんなに好みの趣向を持っていてもすぐに飽きてしまいます。といってもこのセンスのない映画や色のダメな絵にも好きなものはたくさんありますが、これらの作品がB級作品であることには変わりありません。これって一言で言うと、作者が「映画」や「絵」を愛しているかどうかの分かれ目のような気がするんです。
(スピードや彩度のことを言ってるわけではありません。どんなスピードやどんな彩度でもいい。とにかく「時間」や「光り」がコントロールできていない作品は、作品として作者の表現が完結していないということです)
でもこれが出来ている作品ってほんとに少ないです。いや、表面的に出来てるように見える作品は山ほどありますけどね。絵でも、映画でも。
ところが本気で表現と言えるようなレベルでこれが出来ているものとなるとおそろしく探すのが困難になってきます。
宮崎駿はそういう意味でも僕にとってすごく貴重で有り難い存在です。勇気が出てきます。たぶん届かないでしょうが、この場を借りてお礼を言いたいぐらいです。泣かされるのは困りもんですが...
ちなみに宮崎駿のこういう才能を僕が一番ストレートに感じるのは「天空の城ラピュタ」のオープニング。これも何度見てもワクワクさせられます。たぶん作った本人としてはステレオタイプなスパイ映画的演出だったりするんでしょうが、あの映画の中では完璧に世界観への導入として機能しているので、見ている方はそんなこと全く気になりません。
なんかこんなこと書いているとほんとに映画作りたくなってくるなぁ。