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怪獣の絵は2400×1600pixelで描いている。384万画素だ。印刷を前提にすると解像度が低いように感じられるかもしれないが、おそらくこの画素数でもインクジェットプリンタでA3に印刷してもそこそこの解像感は得られる。また、こうしてアナログな物体にしてしまえば、そこからスキャンして印刷用に回すことも可能だ。まあ、そんな手間を掛けずとも、上手にリサイズしさえすればそれで充分だろう。つまりこの程度の解像度でも、印刷メディア、ハイビジョン動画、もちろんWebも含めて、ほとんどのメディアをカバーできると考えている。欲を言えばこの倍ぐらいあれば言うことないけど、今使っているPCだとちょっときついのだ。Photoshop上でのサイズは11MBぐらいだけど、それをレイヤーを含めて展開すると、一枚あたりのサイズはだいたい150MB越えてるし、4800×3200にすると単純計算で600MBということになってしまう。つまり、自分のPCで気持ち良く描けて、なおかつ我慢できる解像度の妥協点が300-500万画素ぐらいだったというわけだ(とは言っても、いたって軽い気持ちで始めたので深く考えて決めたわけじゃない)。これが最新のハイエンドPCだったら、600MBぐらいのPhotoshopデータもわけなく動きそうだけど、最終結果から考えるなら、それほど焦るような違いじゃないかと思える。もちろん新しいマシンは欲しいけどね。

なぜ大きな解像度に対して焦りを感じないかという理由は、何をおいてもディテールだ。自分が一枚の絵に対して描き込むディテールはそんなに大したものじゃないのである。人が一枚の絵を見て、どんなに凄い描き込みだと思うような絵でも、300万画素ぐらいの解像度で充分表現することが出来てしまう。これは事実だ。そこで表現できないのは虫眼鏡的に見た場合の鉛筆のこすれであるとか、絵の具の粒子であるとかといった、表現を一体となって構成してはいるが、表現者の身体以前であるような情報だったりする。それらを抜きにすれば、なんの問題も無くこの解像度は必要な情報を表現してくれる。絵を描く立場から言えば、実際のところ100万画素を埋め尽くしコントロールすることでさえとんでもない労力を要求されるし、あくまでもディテールということではそれでも充分なぐらいなのだ。

ちなみに、人がどのような画像をもって解像感の高い画像であると判断するかといえば、それはほぼ輪郭のシャープさに尽きるんじゃないかと思う。これはJPEGの圧縮技術を見ても分かる。諧調の遷移が緩やかな部分は大きな四角で表し、諧調の遷移が急激なところでは四角を小さくする。そのようにすることで、画像の解像感を損なうことなく、サイズを圧縮している。先の例であげた上手いリサイズというのも同じで、輪郭のシャープさが保たれていれば、解像度の低い画像を拡大してもそれ程問題になることはないのである。Photoshopのリサイズ機能はそれ程偉くないけど、それなりの手間をかければ、求める要求に十分に答えることは出来る。

しかしこれは静止画の話。
動画のことを真剣に考えるととてもじゃないけど現状のスペックは厳しい。逆にいえば、静止画のデジタル化に関しては、やっと技術が追いつきつつあるともいえるかもしれない。それはパソコンに限らず、デジタルカメラを見ても分かる。いまどきのコンパクトカメラは軒並み1000万画素を越えてるし、どれも良く写るだろうし、何を買っても失敗がないような状態だ。もちろん課題もたくさん残されているにしても、裏面照射CMOSセンサが実用化されたり絵だったらタブレットPCが進化したりして、いずれ解決されていくだろう。だが動画は静止画のこの現状に比べるとまだまだ発展途上であり敷居も高い。なによりコストが高い。高かったのである。

別に今すぐ動画をやろうと思っているわけじゃないし、そんなに気にする必要ないんじゃない?とも思うんだけど、気になるほどに周りが変わってきつつあるなぁというのが正直なところだ。ハイビジョン動画の解像度は1920×1080=約207万画素だ。これが1秒間に30枚再生される。ちょっと前までは、このような解像度の動画を撮影する為には最低でも100万円以上はするようなビデオカメラが必要だった。プロ用となれば何百万円だ。そこに複数のレンズを組み合わせたりしたら軽く1000万円越えとかしちゃっていたのだ。まるでCGが普及し始めた頃のMac一式のようなお値段だ。ところが今やレンズ交換式のデジタル一眼レフでハイビジョン撮影が出来るようになってしまった。しかもそのクオリティがとんでもないハイレベルになっているという。CASIO EX-F1の超高速連射によるスローモーション撮影だって、研究用カメラでしか実現できなかったような機能なのだ。

別にばら色の未来を思い描いているわけではない。このような技術革新に期待するのは製作の現場が個人レベルに降りてくることに尽きる。多額の資金繰りや巨大な設備に依存することなく製作が出来るのはとてもありがたいことだ。たかがカラーコピー機1台のために300万の借金をしようと真剣に悩んだ時代があったのだ。


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ウチで使っているプリンタの後継機種といえる新製品がついに出てしまった。PX-5500。これ、かなり良い出来らしい。インクにライトグレーが加わって、モノクロの諧調表現が豊かになっていたり、光源の影響による色の変化が抑えられていたり、耐光性や印刷スピード(3倍ぐらい速いらしい)はもちろんアップしているし、インクの粒子も細かくなっているし、色調整にもかなりのこだわりを持って仕上がっている様子。他人のレビューを見る限りじゃ迷わず買いって感じだな、こりゃ。お金ないからすぐに買えないけど。

今使っているプリンタは購入してから3年になる。デジタル機器としてはかなり長い間現役でいたんじゃないだろうか。これだけ世代交代が速い世界では驚異的といっていいぐらいだ。まだ充分使えるし、クオリティにもかなり満足している。それでも買い換えないとダメだろうな。デジタルってそういうものだ。今にそういうものじゃなくなるときが来るのかもしれないけど、今のところそういうものだ。かったるいけど。でもって買ってしまえばいくら気に入っていても古いのはだんだんと使わなくなっていくのだ。

正直言って、こういうサイクルにはまりたくないと思っている自分はかなり強く意識している。仕方ないで終わらせたくない。かといってアナログに戻ればいいじゃんとも思わない。戻るも何もそれは別の技術だからだ。デジタルでやるならばリアルプロダクトに置き換えないで、モニタや脳の中だけで完結するような方向を目指すべきなのかもしれないという気持ちがいつもついて回るし、実際そうなのかもしれない。

PBBSで(右下の虫が入り口)あくびさんの絵に関する書き込みが面白かったのでここで返信します。以下インタビュー形式で(笑

あくび:
デジタルだと特に複製のしやすさとか、しにくさってのが作品の価値に関係なくなっていくのでしょうか。

サクバ:
本質的な価値は、デジタルかどうか、複製しやすいかどうかにかかわらず変わらないと思うので、市場的価値に関しての疑問だとします。

キネガワ堂のシェアピースのコラムでもこの辺について書いてますが、美術市場はむしろデジタルであっても複製を制限して価値を高めようとします。消費者はデジタルの特性を利用して市場価値を低くします(音楽データがいい例です)。また美術市場ではなく出版などのマスメディアでは複製を制限することはないけど、通常それは「作品」として流通させているわけではないという了解があるといえると思います。この図式からひとつ見えてくるのは、どこまでを作品とするのかということです。テレビに一秒間映った絵はその一秒間の間、作品として存在したのかと。極端に言えばそういうことです。

俺の答えはイエスです。発信側と受信側のコストバランスが多少変化したに過ぎない。そういう意味ではデジタルでなくてもあらゆるものが(たとえば写真に撮られるとかテレビに映るとか)いくらでも複製できるものとして存在しているといえなくもない。

ただしデジタルの特殊性はそれが「作品そのもの」であるということなわけで、これは言ってみればオリジナルが存在しない複製なわけです。全部が本物。しかも個人が大したコストをかけずにいくらでも増殖させられる。混乱の原因はここにある。でもこの一見複雑そうに見える関係も消費する側にとっての作品価値という観点から見れば、一気に単純化することも出来ます。要は楽しんだ分を支払えばいいわけですから。しかしデジタルという魔法の果実の美味しさに眼がくらんでいるうちは難しい。その単純なことが単純に感じられるようになるには相当時間がかかるだろうと思っているんです。

あくび:
作場さんなんかはデジタルで作品を作る際に、印刷してある程度のサイズの物質(?)になるのをを前提に製作されてるじゃないですか。
印刷するときってどういうことにこだわるんでしょうか。やはりディスプレイで見える画像(描いた画面上の画像)をどれだけ再現できているかなのでしょうか。
そうだとしたらその絵を人に見せる場合の最適距離っていうのは描いたディスプレイの画面上ということですか?
完成品というのは印刷されたものなのか、データなのかというのをいつも考え込んでしまうんです。

サクバ:
自分の場合、印刷を前提に絵を描いているという意識はいつもどこかにあります。とはいっても実際に描いているときにそれを気にしているわけではないです。気にするのは実際にプリントするときです。何度もやり直す。でも面白いのは、必ずしもモニタ上のものを再現しようとするわけではないということです。自分が選んだ紙とインクの特性の中で、もう一度自分の欲しいイメージを再構築して、そのイメージに近づくように調整します。そしてさらに面白いんですが、それをやっているとモニタで描いていたときもモニタに映っているイメージよりも、そのちょっと先を見ていたんだなってことに気づくんです。で、そのちょっと先ってのが、イメージを再構築する際に頼りにしている場所なんですね。だから逆にプリントされたものも、その頼りにしている場所から見たら、ちょっと手前なものなわけです。ということはつまり、モニタの画面とプリントはちょっと先のイメージから生み出された二つの結果であり、ちょっと手前であるがゆえに違いもあり、眼に見えるように存在できているといえるかと思います。

あと、あくびさんはモニタ上のイメージ=データと考えているようですが、俺はそうは思っていません。モニタ上のイメージもプリンタで出力されたものと同じように出力を経た結果です。光プリンタだと思えばいい。ただ、モニタで絵を見るのは経済的じゃないし、モニタの特性をまったく生かしきっていないのでつまらないと思っています。それだったらさっき言ったちょっと先から、もっと違った結果が導き出せるはずだと、そんな風に考えています。

あくび:
一方で低解像度の絵が作品になりえないというとそうでもない。
アドビのイラストレーターは印刷にしても解像度に左右されないのがすごいしセンスいいと思うんですけど、作場さんのデジタル作品のような異常な描き込みによるエネルギーみたいのがないのがおもしろくないなとも思うんです。
デジタルメディア特に静止画はどうなっていくのか、どう存在していくのか気になります。

サクバ:
イラストレーターはすでにベジェの解像度に左右されない利点を保ったままで異常な描き込みが出来る機能を備えています。実践している人も出てきていますね。 3Dに近い描き方になるので向き不向きはあるでしょうけど、ツールなんてどれもそんなものです。それに3Dも基本は同じ考え方なのでマッピングの技術がもっと進歩すればさらに強力な静止画ツールとして君臨する可能性だってあります。zbrushなんかはその予感もぷんぷんしてます。これも静止画ツールとして利用している人がいます。

しかしいずれにしても、あくびさんが低解像度の絵が作品になり得ないとは思っていないのと同じように、現状のツールでよい作品が作れないということはまったくないわけで、あとは今描きたい絵に向かっていけばそれでいいと思ってます。先のことを心配していても何も作れないですから。

うわさではPM-4000PXの後継機種は別で出るらしい。半年ぐらい先だとか。そのときはさすがに買い換えないと駄目かもだな。あくまでもうわさ。

でも、この機種は手差しプリントが出来たり、発色も落ち着いていて綺麗だったり、後はとにかく顔料インクが使える唯一のA3プリンタだったこともあって他に選択肢の無い愛着のある機種だった。充分元は取ったけどね。7万以上出してしかもローンで買ったのに今じゃ4万切ってるよ。

ところでプリンタといえばこの何年かずっとレーザープリンタが欲しいと思っている。でも印刷品質がなかなか思っているようには向上してくれない。ベタが汚いんだよね。いろんな諧調が混ざっているような画像は綺麗に出力できるんだけど。使い道はアートブックみたいな小部数出版。インクジェットが今の何十倍も早くなってくれればそれの方がいいんだけど、それはまだ相当待たないと駄目だろうから、レーザーはやっぱり魅力的なのです。

きのう書いた新しいプリンタEPSON PX-G5000だけど、イイ事ばかりでもなさそうだ。

まず、8色インクといっているけど、実際に使うのは7色(フォトブラックとマットブラックを使い分ける。これはウチのも一緒)で、その上1色はグロスオプティマイザといって光沢感を出すための無色透明インク。ということは色調表現に使われるインクは6色ということになる。ウチのはこれにプラス、グレーインクがあるので色調表現に限って考えるとPM4000PXのほうが上ということもあるかもしれない。少なくともモノクロ的な表現では充分にそういうことも考えられる。

次に耐光性の問題だけど、耐光性がシビアに要求されるのはグロス感の強い光沢紙に印刷したときだ。ところがウチで使うのはマットで、しかも水彩紙みたいなボコボコした紙ばかり。そしてカタログ上の数値を見る限りでは耐オゾン性はどちらのプリンタも30年だ。これはどういうことだろう?ひょっとするとグロスオプティマイザ(これはオンオフできる)を使用しないでマット紙に印刷した場合は耐光性が変わらないなんてこともあったりするかもしれない。確かめてみないことには分からないけど。

残るメリットはというと、インクの大きさと印刷スピードだ。印刷スピードは文句無く速い。で、インクの大きさはEPSONの場合印刷解像度によって変わる。そしてこれは用紙によって決められる。マット紙を選んだ場合は、最高解像度は選べないので、ひょっとすると粒状感に変化が無いということも考えられる。

全体的に見て光沢紙のカラー写真出力で考えると迷わず買い、というのがこのプリンタの特徴みたいだ。まあ、その需要が一番多いわけだから納得だけど。ウチの場合は出力結果を見るとかして検討の余地アリだな。プリンタを変えるというのはウチの場合かなりのリスクがある。だってモニタの調整もプリント出力に近づけてあるし、ドライバとかが変わると色が変わってしまうこともあるので、最悪もとのデータを新しいプリンタに合わせて変えなくてはならないなんてことも起きかねないし、それは出来れば避けたい。

ウチで使っているプリンタ新型がついに出てしまった。随分長いことモデルチェンジしていなかったから、もったほうなんだろうな。11/12発売だって。

内容を見てみると、耐光性が約二倍の80年(ウチのだって最初は200年と書かれていたんだけど、計測基準が変わったのか今は45年と表記されている)、ドット間隔も2880dpiから5760dpi。インクの大きさも半分以下になっている。そして光沢顔料インクというのをウリにしているらしくて、ツルツルした紙でもいけるみたいだ(4000PXで光沢紙印刷をするときはエプソンの純正紙を使わないでCANNONかPictricoの光沢紙を使うと良い。コーティングが違うのでインクの乾きが遅くても引きずらない)。

プリントを売り物にしている身としてはすぐにでも買うべきなんだろうけど、おいそれとは手が出ないよ。どれぐらい違うんだろうなぁ。画質は今のプリンタでもかなりいいと思っているんだけど(プリントの出来を左右するのは、プリンタの描画性能よりも、プリント前のデータ調整だ。これはほんとに身にしみた)、耐光性がこれだけ違うのは痛い。しかし今のプリンタはついこの間修理に出して帰ってきたばかりだよ。しかもたぶんどうみても新品だと思うよ、これ。やれやれ。デジタル機器の進化が早いのは分かっているけど、プリントみたいなアナログへの出力はハードの能力がそのまま反映されるから付いていくのが大変だ。でも考えてみたら、キネガワ堂を始めたのもあのプリンタが発売になったからというのが一番大きな理由だった。「これでやっと売り物に耐えるプリントが自分で出来る」と随分喜んだもんだ。それがさらに進化したわけだから素直に喜ぶべきなんだろうな。

やっと掲示板の返事を書くことが出来た。
書き込んでくれた人も、もう書くことないや、と思って見ていた人も、それとメールで知らせてくれた人も、そんなことには目もくれずに遊んでいる人も、とりあえず、ありがとう。とかいうと、もう終わりみたいですが、そういうわけじゃなく、まずは一度、言っておきたかったのです。

私家版企画は予約分だけでも充分過ぎるぐらい成功したと思っています。ほんとにおかげさまです。こういうことが出来るんだって事が経験できただけでも有り難い。

とかいいながら、いつまでもシミジミ出来ないところがサクバのいいところだったり悪いところだったりするわけで、この前の個展と今回の私家版でプリントのことに随分詳しくなって思いついた「デジタルプリントマニアクス」。ほんとにやるかどうかは別として、そんなサイトがあったらいいだろうなと思った。印刷、写真、版画としてのデジタルプリント、基本の解像度の話から印刷所や用紙や技術の紹介、そして実際に「作っている人」のレポートや、それらを使ってどう「商品」に結びつけていくのかといった話まで。そんなにたくさんのサイトは面倒は見きれないってのも分かっているし、そんな時間があるぐらいなら自分の作品作ってら、というのが本音だったりするんだけど、「存在していたほうがいい」サイトだと思ったの。いくつかは知っていたりもするんだけど、どこも情報が断片的だし、出し惜しみが目立つし、ほんとに参考になるようなサイトってなかなか無い。寄ってたかって作り上げるようなサイトだったらどうにかなりそうな気もするんだがなぁ。

一日ガラージュのプリント。
まだ全然終わっていません。限定版用のスペシャルプリントの他にもいろいろと刷らなくてはならない物があるので、前回の個展の時の5倍ぐらいの数になりそうです。そりゃ時間も掛かりますって。やっぱり100とか200とかって数は個人で作るには限界に近い数ですね。1000部とかなったら作る前からウンザリしちゃう。まあ、作るものにもよるだろうけど。とにかく喜ばれるもになることを願いつつせっせとやっています。

BBSの方にも書いたんだけど、きのう(二つ前)の解像度やらのデジタルデータの話、あれってどれぐらいになったら自分的に許せる範囲に収まるかというと、たぶん4800万画素(8000x6000pixel。容量にして最低で137MB、印刷データを基準にしたプリントサイズで65cmぐらい)ぐらいのデータが、ストレス無く描写できて(負荷の高い凝ったブラシでも)、ハードディスクの容量も気にすることなく保存できて、しかもそれが16bitで(たぶんみんな8bitで描いていると思うのだけど、これって何を表しているかというと1dotに割り当てられる色数が8と16では違っていて、当然16bitで描いた方が色数が増える分表現は豊かになるんだけど、ファイルサイズ的には二倍(4倍だったかな...記憶曖昧)ぐらいになってしまうのです。デジカメでいうところのCCDサイズにちょっと似ている)作れるのなら、とりあえずはくだらないことを気にしないで描けるかなぁという感じはするのです。

このぐらいだった許せると思うことの基準はいくつかあるのだけど、一つには写真との関係がある。どんなにショボくても大判フィルムよりは情報を保持したデータであって欲しい。別にデータサイズが小さいからといって作品の価値が左右されとはこれっぽっちも思わないけど、大きさなんて気にしたくないということで、それぐらいは欲しい。そしてもう一つは、作品の内容が大きさを要求するということはやっぱりあるわけで、そこで悩むようにはありたくない。

たぶんこれは現状では相当な高望みだということは分かっている。でもいずれそうなる。絶対になる。早いとこなって欲しい。カメラもスキャナもネットの通信スピードもハードディスクもタブレットもそしてもちろんコンピュータそのものの進化も必要だから、それなりに時間は掛かるけど、いずれはそんなことはブラウザの中でさえ当たり前になるような時が来るはずなんだから。

16:04
一つ前に書いたような話って、ほんとにそんなことが起きるときには、絵描きの話だけには収まらないような変化が起きているものだ。たとえばセキュリティ、著作権の概念、世界的な規模でのネットワーク上での金の動き方とそのシステム、コミュニケーションの在り方、ネットの社会的影響力、その他諸々の変化をもたらすようにその変化はやってくる。じゃなかったら、そのような変化をもたらす引き金になる。だからどうだってわけじゃない。それぐらいの力があるってだけの話で、それぐらいの力でどれぐらいのものが動くのかって話で、まあ、なんていうか、つまらない話だ。ああ、つまらない。こんなことを書こうと思った自分がつまらない。でも、こういうことをつまらないと言い切れるようには生きていないということも事実だ。

コンピュータで絵を描いていて、それを印刷にまわしたリプリントアウトしたいと思っている人のために、個展の時に分かったことを書いておきます。

まず普通印刷データとして渡す原稿は300-600dpiぐらいのデータを入稿します。このdpiというのはフォトショップなどでいうところの画像解像度というやつで、dpiの意味はdot per inchi、つまり1インチにいくつのドット(=ピクセル、同じ意味)を詰め込むかということです。この1ドットがデータの最小単位で、それが1インチの中にたくさん入っているほど細密な表現が可能になる。600dpiなんていうのは超高級印刷で、通常はあまり使われません。普通は300?350dpiです。言ってみれば安いテレビとハイビジョンテレビの違いみたいなものです。そしてこの解像度はどのように決まっているかというとオフセット印刷の原版を作るためのスキャニングの解像度の2倍を想定して決まっているのです。つまりデータを取り込むときにデジタルデータ特有のドットを拾わないで滑らかな表現を可能にするために、実際の解像度の二倍のデータを入稿しているというわけです。300dpiのデータを入稿しているということは、実際には150dpiの解像度でデータが読みとられているということです。ここまでが印刷の基本。そしてここから先が分かったことです。

プリントアウトの場合には印刷のことは考える必要はありません。出力されたデータが全てです。ぼくがやったのは全てマット紙でしたが、どんな紙であれそれがマット紙である場合には150?200dpiもあれば充分に綺麗な出力結果を得ることが出来ます。これはどういうことかというと、例えば印刷用にA4サイズで描いていた絵であればA3サイズでも充分行けるということです。反射原稿(出力したものを印刷データとして入稿すること)として出すのであればたとえデジタルデータとして小さすぎるデータであったとしても二倍ぐらいのサイズの原稿として入稿できるというわけです。これが写真専用紙などの光沢紙などになってくると事情が少し変わります。光沢紙の方がより精細にディテールを表現することが可能になるからです。その場合にはサイズが少し小さくなる。蛇足ですが光沢紙よりもマット紙の方が色褪せなどの画質の劣化が少ないということは覚えておくといいです。ディテールの表現では劣るけど、紙の表面に起伏あってインクが吸い込まれる分、酸化の影響を受けにくくなります。

次に小さなデータを思いっきり引き延ばした場合にどうなるか。まず、アプリケーション上で画像解像度をそのまま上げてデータサイズを上げた場合には、ドットが見えるようになるわけではなくて、ぼやけたような表現になります。これはアプリケーション側で画像を補完してくれるからです。でもアンチエイリアス(ドットをドット自体が見えないように周りのドットをグラデーション的に色変換処理することで、ぼかしたような効果にすること)が掛からないようなデータはそのままドットが拡大された効果になる。そしてこのようにぼやけたような表現になったときには、見栄えのするデータ(無理矢理大きくしたように感じさせない表現)とそうじゃない表現があるようです。一言でいってエッジの処理が明確な表現は見栄えがする。それとこれは想像だけど、元からぼけたような表現もあまり影響を受けない。中途半端なのが一番影響を受けやすい。よく街の巨大看板とかを間近で見るとこんなに粗いんだと思うことがあるかもしれないけど、だいたいはそんな感じです。この辺は写真をやっている人ならよくわかると思うけど35mmフィルムのネガを全紙に引き延ばしたような感じが一番近い。

現在のパーソナルコンピュータの性能だと、かなりイイものを使っていても気持ちよく描けるのはせいぜい長手で6000pixelぐらいでしょう。ちょっと無理をしても8000pixelとか。レイヤーをたくさん使う人だとこの数字はもっと下がる。ウチのマシンだと4000でもちょっと嫌になる。これって印刷データとして考えるとA3かB3サイズ、プリントアウトでもその二倍。ということは10分で描くようなラクガキがこの限界サイズぐらいで描けるようになるには、もうちょっと時間が掛かるということです。ましてや100号(長手で160cmぐらい)とかのサイズでやろうと思ったら、当分はベジェでやるしかない。ちょっと前のことを考えれば信じられないぐらい快適になったけど、まだその程度なんですね。といっても今出来ることの可能性を限界の中で考えるのは、それはそれで面白かったりもするんですが。

天気予報をみたら個展の初日は雨みたいだ。ガッカリ。
まあ、今それどころじゃないんだけど。

展示用に大判のプリントをあれこれやっている。
かなり大きいのも外注したりしているんだけど、出力してみるとA4ぐらいでやっているのとは随分と違いがあってかなり戸惑う。DMにもした"kain"は「そろそろデジタルでもまともに描いてみるか」と思って、マウスで必死こいて描いた絵だ。その頃もタブレットは持っていたんだけどあまりに感度が悪くてとてもじゃないけど使う気になれなかった。フォトショップも使い勝手が悪くて選択範囲のあれこれをちゃんと理解していない自分にとっては全然上手くできなかった記憶がある。そんでいざデカくしてみたら、データの汚いこと。かなりめげた。

ガラージュのデータにしてもそうだけど、今の目で見ると例えば3Dのレンダリングデータとしてはかなり稚拙だ。でも、作品の価値ってのは、必ずしも「どれだけ使いこなされているか」にあるわけではない。それでもそういう所っていうのはわかりやすく口に出せるような所だし(オーディオマニアの音批評みたいなもので)、グチャグチャいったところで無視できないとこでもあったりするのだ。

しかしデジタルでまともな作品を作っている作家なんてひょっとしてほとんどいないんじゃないだろうかと、今、気が付いた。あくまでも絵に限った話だけど。ウェブ上で頑張っている人は沢山生まれてきているとは思うのに、いわゆる作家活動をしている人では不勉強でまったく思い当たらない。たぶんどんな連想でこんなことをいうのかはまったく分からないかもしれないけど、自分にとってウォーホルの面白いところはシルクスクリーンをファインアートにした点に尽きる。オリジナルのないアート商品の誕生。くだらない話だけどね。

更にくだらない話をもう一つ。俺は世界中でお絵かき掲示板で描いた絵を初めて展示したヤツになる予定(すでにいたら悔しいな)。

うー、プリントのしすぎで耳からプリンタの音が離れねぇ。

さっき急に思いついたんだけど、ブリスターパックみたいな体裁のプリントってスゲエいいんじゃないだろうか?ああ、今頃そんなこと思いついちゃっていいのか俺。全然時間ねぇじゃん。前にも何度か書いたんだけど、額が邪魔なんだよね。ミニカーやフィギュアを飾るみたいに絵を飾ったっていいじゃん。画鋲でポチッと。カッコいい台紙が付いていて、そこに画鋲用の穴が空いているの。いいでしょ?よくない?でももう間に合わないなぁ。

kingyo.jpgkingyo2.jpgkingyo3.jpg今日、ガラージュやプリントサンプルの包装の材料なんかを漁りにジョイフル本田という超大型ホームセンターに行ったのですが、そこのペット売場で撮りました。なんか綺麗だったので。

前のNEWSでも一回紹介しましたが、このお店、とにかくでかくて品揃え豊富で安いんです。でも今回はスペシャルボックス用の箱とかに変なものないかなと思って行ったので、その辺の収穫はありませんでしたけども。知り合いにアクリル職人が居るのでちょっと相談してみようかな。

あと設定画集のための印刷情報を探していたら良いサイトを見つけました。個人でやっている印刷会社みたいで、上のバナーをクリックすると小ロット印刷についての有益な情報がとても親切に書かれています。コピー機もかなり進化してるんですね。出力結果を見て確かめてみたい。しかし10万ぐらいで出来るんだったら、部数作ってもいいかなと思ってしまいました。これだった2000円ぐらいで売ることが出来る。でもそんなに欲しがってくれる人がいるか疑問ですが。マニュアル兼だったら悪くないけどどうなんだろう。悩むなぁ。

present.jpg絵は写真に写っている五枚に決定です。
「ビルに登るオオトカゲ」「ランディオット・喜一郎氏」「TOWER」「百合」「困ったもの」。リクエストしてくれた方々、ありがとうございました。

用紙サイズはプリントサンプルと一緒です。黒い台紙がだいたいハガキ大。応募開始は19日の昼ぐらいの予定。締め切りは28日。一人三回まで応募可能。同じのに三回応募するのもあり。応募期間中はNEWSとBBSの返信はお休みします。

ということでよろしくー

キネガワ堂の伝言板にも書かれていますが、「天国への自動階段シリーズ・コンプリートセット」のシェアピースを初出荷したのです。入れ物の画像は近い内にアップしますが、いろいろと考えるところがありました。

やはり送り手の気持ちとしては、どんなに手間がかかってもとにかく喜んでもらえるようなモノにしたいし、出来る限りのことは全部やっておきたい。しかしこの気持ちと値段との釣り合いをとるのがほんとに難しい。基本的にはプリントそのものが一番重要な中身な訳ですから、それが無事届けばあとはなんの問題もないのです。でもそこからはみ出す気持ちというのがあって、それをおろそかにしてしまうと伝わるものも伝わらなくなってしまう。

やはり「入れ物含めて作品」ということなんですね。包装を解く楽しみ。薄紙をめくる楽しみ。取り出してはまた仕舞う楽しみ。本の装丁では良く言われることなのですが「本を手にとった瞬間から物語は既に始まっている。カバー、見返し、扉、そしてお話、これは連続した経験」なのです。そしてこれは本に限らずあらゆる商品に共通して言えることなんだと思います。だから凝りたいのです。最高の演出がしたい。でもやればやるほど割が合わなくなっていきます。かといって値上げはしたくない。

でもコンプリートセットに関してはクオリティを下げたくないので、心苦しいですが値上げさせてもらおうと思っています。その分より楽しめるものが届くのだと思ってどうかお許しを。

あと今回の入れ物を作ってみて、こういうのはとても面白いということがわかったので、さらに馬鹿な企画もアリだよなと思っています。

額のことをちょっと考えていました。
このところキネガワ堂のシェアピースのこともあって、絵を持つとか、絵を楽しむとか、絵を飾るとかいうことをよく考えるのですが、額ってあらためて変なものだなぁって思ったのです。

例えば現代美術の世界では平面的な作品でも額はほとんど使われません。どこか体制的な感じがしたり古くさい感じがしたりするし、リアルなモノとしての存在感が伝わりにくくなるということもあります(金がかかるというのも大きい)。それがデッサンであっても、普通はいわゆるデッサンとしては扱われないので博物館の説明書きのような体裁になったり、そのまま放置されたりします。

と、そういう世界のことはどうでもいいのですが、やっぱり額って格好悪いんじゃないかと思うのです。自分の部屋に絵が入った額が飾ってあることを、何かしっくり来ないと思う人はかなりたくさんいるんじゃないでしょうか。それだったらでっかいポスターを画鋲で貼り付けたり、額に入れたとしても床にそのまま立てかけたりする方が多少はおしゃれっぽいとか.........う?ん、どうなんだろ。

自分では額は嫌いじゃないです。額って結局は「窓」ですから、いってみればコンパクトな映画館みたいなものです。床の間の発想とかも同じですね。問題はこのクソせまい部屋や、なけなしのカネや、忙しい毎日と、どうやって絵との折り合いをつけるかって事です。今考えているのは本と額の中間的なものは出来ないだろうかということです。手にとっても楽しめて、置いても楽しめる。まだ妄想段階ですが、いずれ試作品でも作ってみようと思っています。

ところでガラージュページの方がだいぶ悪ノリが入ってきてしまいました。ボリュームもたっぷり。完成度は60%ぐらいかな。もうしばらくお待ち下さい。
それと【ル:通信】もこのページの公開と同時に発行予定ですので、待ってる人とかいたらこれもちょっと我慢して下さい。

まだたいして売れてないのに、テストプリントのし過ぎでシェアピース用の用紙が無くなってしまったので、お茶の水まで紙を仕入れに行って来ました。ついでにインクも心配なので秋葉原によってカートリッジを購入。

ふと見るとパソコンショップだらけの裏通りにギャラリーがあります。とは言っても飾ってある絵がどうもちょっと傾向が偏っている。美少女画(最近台湾で売れているイラストレーターらしい)っぽいのとか、天野喜孝とか、あと知らない漫画家みたいのとか、要するに媚び媚び?な感じの絵ばっかり(僕の偏見かもしれないけど、ネット上には実際以上に天野ファンの割合が多くて、こんな事書くととてもたくさんの人が傷ついたような気持ちになるかもしれないと心配してしまうのですが、そんな人はどうか読まなかったことに。別に「あなたの天野喜孝」をとやかく言ってるわけじゃないので、今まで通り好きでいて下さい。ちなみに「サクバの天野喜孝」は好き嫌い以前です)。

店の雰囲気もいかがわしげな雰囲気がプンプンしてます。僕は直感しました。ここならきっと以前のニュースで書いた「ジクレー版画」という名のインクジェットプリントが販売さているに違いないと。言ってみりゃぁ「商売敵」みたいなものです。いや、相手は微塵もそんなこと思ってないでしょうけど。
というわけでいざ店内へ。予感は的中、やっぱりありましたよ、ドッチャリと。しかもお値段がまた素晴らしい。だいたいA2サイズぐらいのプリントで40?60万円也。一体誰が買うんだ?!!!

たぶんどの作家もエージェントを通しているから、作家の取り分は2?3割ぐらいじゃないだろうか。にしても取りすぎだろ、オイ。しかもちょっとパールの粉を散らしてあるぐらいで「ジクレ・手彩色」と来たもんだ。挙げ句の果てにはほんのちょっと金の筆入れがしてあるだけでミクストメディアだと。おきまりで全部エディションナンバー通してあるし。

みなさ?ん、キネガワ堂はお得ですヨ?。オーイ、誰かいますかー。

あ、ちょっと山の彼方に向けて叫んでしまいました。木霊が帰ってきました。ヤッホーーー

いろいろ気になって調べものをしていました。
最初に調べていたのは「ジクレー版画」というやつ。いわゆるデジタル版画なのですが、やたらに高いのでどんなものなのかと思ったのです。

で、調べてみたところ、「Iris」という出力センターなどでは昔から使われていたインクジェットプリンタで出力したものだということが判明。元のプリンタがかなり高いのですが(500万 ~1000万)、それにしてもなんでデータの劣化のないデジタルプリントがこれまでの版画と同じ値段なのでしょうか?しかもエディション制限(限定100 枚とか)までつけてる。
ちなみに「ジクレー」というのはフランス語らしくて「何かを吹き付ける」というような意味で、要するに「インクジェット」と意味は同じです。それだったら「インクジェット版画」とか「Irisプリント」とか呼べばいいのにと思ったらまたもや新しい言葉がでてきました。

それは「ピエゾグラフ」という言葉。これはエプソンが登録商標として申請している呼び方で、これも自分のところで出しているプリンタの出力を「美術品」として売り込むために作り出した言葉です。「ピエゾ」というのはインクジェットのノズルヘッドの技術の名前でエプソンのミュークリスタシリーズやキネガワ堂で使っているPXシリーズにも採用されている「ピエゾヘッド」から取ったものです。(ちなみに実力的には「IRIS」も「EPSON」もほぼ同じ。エプソンの方がやすい分、すごい勢いで普及しています)つまりどちらも「インクジェットプリンタ出力」では金が取れないから、新しくてすごそうな名前を付けて煙に巻こうという魂胆な訳です。やれやれ。

しかしまあ、ここまでは企業やギャラリーがやることですから、仕方ないといえば仕方ないかも知れません。みんな同じようにして商売しているわけですし。しかし呆れたことに作家までがなぜ企業の戦略をそのまま受け入れて、登録商標を使い、しかもこれまでの版画と同じ値段で売るのでしょうか。僕にはこれは自分で自分の首を絞めているとしか思えません。だって5万円の版画が一年に一枚売れるよりも、5000円のプリントが10枚売れる方が、どう考えたって世界にとっても自分にとっても幸せなはずです。それだけ多くの人の目に触れるわけですし、そこから新しい才能が育つ可能性だってずっと高くなるでしょうし。

「へぇ、この年賀状キレイ!」
「ピエゾグラフなの、ジクレー版画より安くていいわよ」
「???????」

いいかげん、遠回りをするのはやめようよ。

プリントの色調補正にやっと片を付けました。
計36枚のテストプリントで、なんとか納得のいくフォトショップの基本アクション(自動で同じ作業を繰り返してくれる機能)の設定が完成。これであとはプリンごとに微調整するだけで望み通りの色調補正をすることが出来ます。最初は2?3枚でそこそこの設定が出せるんじゃないの、とか思っていたんですが甘かったです。

聞くところによれば、モノクロ写真とか、ペン画のようなモノトーンに近い原稿を、カラー出力用に補正するのはそれなりに難しい作業だというのは常識らしいです。そういえば印刷原稿の補正ってカラー原稿か、モノクロだったらせいぜい二色分解用の原稿しかいじったことはなかったことを思い出しました。
しかしウチにとっては決して安くない紙と同じように安くないインクが見る見る無くなっていくのはだいぶ身体によろしくなかったです。でもこれで一安心ですね。

それと今日は[ru]の篆刻(柔らかめの石を削って作る判子)を作ってみました(出来てもいないのに名前だけ付いています。命名「ルバンコ」)。ほとんど失敗しましたが、面白いです。いや、なんかプリントに判子が押されてるとカッコいいかなとか思ったのです。これはもう一回トライしてみます。
ところで久しぶりに細かいアナログな手作業をしたのですが、いくらコンピュータで絵を描いたりしていても、こういうのはまた別物で、全然自分の思い通りに手が動かなくて焦りました。まえは0.2mmぐらいの誤差のもを作れたのに、0.5mmぐらいになってました。こんな書き方をすると、「大してかわらねぇよ」とかつっこまれそうですが、実際見てみれば誰が見たって明らかなぐらいの差があります。ほんとだってば。

ま、それはおいといて、使わない能力は衰えていくものなんですね。でも最近は自分の出来ることが限定されていくのも悪くないな、とか思います。少なくとも何でも出来ると思っているよりはずっとイイです。だって別の角度から見れば、そんなことがなかったら出来ることが深まることなんてあり得ないでしょう。それに自分が生きていく上で必要なことが出来さえすれば、それで充分だと思いません?

プリント用の画像の色調補正をやっていたのですが、いやはや難しいです。前にもちょっと書きましたが、やっているのはスキャニングした「天国への自動階段」の原画です。元はペン画ですが、このインクの黒色が全然出ないのです。

一応プロですから写真の色補正などはそれなりにやっていますし、そこそこにいい結果を出すことは出来るつもりでいました。ところが他に色がない分、目がシビアになってしまって、ほんのちょっとの差でも全く印象の違う結果になってしまうのです。もちろん全く同じになるとは思ってませんので、許容範囲に収められればそれで良しとするつもりなのですが、そのレベルにさえなかなか達しません。
これは少なくとも疲れているときにやる仕事じゃないですね。インクと紙の無駄です。3時間ぐらいかけて12枚のテストプリントをしましたが全て惨敗に終わりました。これ以上やっても今日はいい結果がでなさそうなので、これを書き始めたというわけです。

ところで今回のようなことを書いていると、いつも気を付けないといけないなと思うことがあります。それは「苦労話」にしないということです。別に苦労を知ってもらいたいわけじゃないんです。知って欲しいのは作っている時間の中身であって、大変さはどうでもいいのです。だってどんなに大変そうに見えたって、本人は楽しんでいるかも知れないわけですしね(今日はちょっとめげましたけど...)。それに実際楽しんでやっていることの方が圧倒的に多い。でもここに「早く仕上げよう」とか、「遅れて迷惑をかけないようにしよう」とか「期待を裏切らないようにしよう」とかいうことが入ってきたときに、楽しんでいる自分を忘れてしまいがちになる。そしてこんな時に人は愚痴をこぼすんです。だから僕はどんなに苦しいと思っても、それは「楽しいことの内側」で起こっているのであって、決してその逆ではないことを忘れないようにやりたいなといつも思います。

前にこのNEWSでも書いた「ジョイフル本田」という超巨大ホームセンターに行って来ました。場所は茨城県の取手からちょっと入った守谷という利根川沿いの所。目的はもちろんプリント商品のための包装関係の素材探しです。家からだとバイクで1時間ちょっとかかりますが、渋谷なんかに出ることを思えば似たようなものです。それに道がずっときもちいい。ちょっとしたツーリング気分が味わえます。

しかしウワサには聞いていましたが着いてみるとホントにビックリです。とにかく広い。異常な品揃え。そして安い!

広さでいうと、今日は五時間ぐらい探索しましたが、見ることが出来たのが半分いったかという程度。品揃えは多少偏りはありますが全体でいえば東急ハンズといい勝負(オモチャや理化学系用品などはハンズの方が上。農業用資材や建築資材などはこちらの方が上。それでも画材や製図用品やアンティーク商品なども豊富にあって、これにはいい意味で予想を裏切られました。)。値段はというと、ほぼ専門店や卸売り価格。中にはここより安いところはないだろうという値段の商品もたくさんあります。これはハンズは完敗です。僕はだいたいハンズを利用するときは、どんな商品があるかをチェックするために利用して、購入は専門店や卸を探す、という利用の仕方だったので、ここはたぶん最強のお店ということになりそうです。

肝心の成果はというと、やっと商品の体裁を整えられるぐらいに素材を揃えることが出来ました。
中国製のいい風合いの半紙や、建築用の面白いマスキングテープ、梨を育てるときに使うカッコいい紙袋、篆刻セット、プリントサンプルの防水用のビニール袋、それにリボンテープや製本テープや糊などを購入しました。これであとはポートフォリオ用の段ボールが届いて、サイト用とプリント用の画像修正、それとテキストの見直しと修正が終わればやっと準備完了です。遅くても9月になるまでにはなんとかしたいと思ってます。

お、またもや雷が近づいてきて、雨が降ってきました。
じゃ、今日はこの辺で。

追伸:
前にも書きましたが、【ル:通信】読者限定のプリントサンプルプレゼントを行います。これは第2号で既にお知らせしたのですが、締め切りを8月15日としましたので、それまでに登録をされた方には【ル:通信-第2号】をお送りしますので、欲しい人は予約を入れて下さい。

予告通りにテストプリントの話しから。
なんでこうも予定通りに行かないことが次から次へと出て来るんでしょう?紙自体はすごくイイ感じの紙でした。インクのノリも発色もほぼ問題ありません。きのう一緒に購入したマットブラックインクも鮮やかな黒を出してくれています。

ところが今回のプリントは「全面フチなし印刷」で手垢から下書きの線から紙の汚れまで全て再現する予定でいたのですが、これが出来ないのです。問題は紙の大きさ。使用している紙を計ってみるとキッチリA4サイズにカットされています(おととい書いた20枚で4000円以上というのはA3ノビの値段です。これはA4サイズで一枚70円です)。さすが紙屋です。ところがエプソンの紙を計ってみると、わずかに1mm弱ぐらい大きいのです。たったこれだけの違いでプリンタは紙の排出が出来ずに永遠と同じところを印刷し続けてしまうのです。最悪です。とうぜん強制終了。
しょうがないので「全面フチなし印刷」は諦めて今度は印刷領域の最大化を試してみますがこれも駄目。それではとカスタム用紙設定にしてみると、今度はどちらのモードも選べないことが判明。仕方なく印刷領域を通常モードに合わせ、さらにこれでは格好が付かないのでプリントする部分を絵が描かれているところだけに限定、これでやっと普通に排紙されました。エプソンは絶対分かっていてこういう仕様にしているんだと睨みました。やってくれるぜ全く。

でも今の状態も版画っぽい仕上がりで悪くないです。紙の風合いがいいので余白も綺麗に見えますし。それに普通の人にはキタナイ汚れが再現されているよりもこっちの方が喜ばれそうです。でもこの変更のおかげで今まで作ってあったサイト用の画像を全部変更しなくてはならなくなってしまいました。超面倒くせー。

次は色補正です。前に書いたように再現性にはあまりこだわる方ではないのですが、今度ばかりはそんなことはいってられません。出来る限り近づけたい。ところがこれがえらく難しいということが分かりました。十枚ぐらい試してやっとこんなもんかと思えるところまで来ましたが、それでも原画と較べるとまだまだ違います。といってもプリントだけを見てみると充分美しいです。知らない人が見たら原画だといっても通用するでしょう。ここは原画に近づけるよりもプリントとしての美しさを追求する方が正しいやり方なのかなと思い始めています。
まだ一枚しか色補正していませんが、これから全部(プリントサンプル用の画像も合わせて、あと13枚)の画像をいじらなくてはなりません。スキャニングものは楽かと思っていましたが、元があるだけに逆に大変な部分があるのだと身にしみました。

今日はあと包装の試作品を作ってみました。主に段ボールと製本用テープなどを使った簡易ポートフォリオみたいなものです。いくつかまた新しい問題が発生しましたが、そこそこ魅力的なフォルダが出来上がりました。手に負えなくなるぐらい売れるようになるまではこれでいこうかと思っています。

ここまでくればもうちょっとです。
それとプリント販売ページ公開の時に「ル:通信」読者限定で希望者全員(たぶん。こんなことはないと思うけど、この告知で登録が増えすぎてしまうとかなりキツイのでその時は抽選にします)へのプリントサンプルのプレゼント企画を考えています。欲しい人は登録してね。

リュックを背負って行って来ました。あちこちと。
まずはお茶の水。ここは主に紙探しがメイン。お目当ての竹尾のショールーム(オリジナルの顔料系インクジェット用紙の製造元)はちょっと遠いので、そこに行くまでにパラパラと散在する文具店だの画材店だのを片っ端からチェック。やっぱりネットで調べるのとは大違いで既にチェック済みのメーカーの製品でも見たこともないようなのがゴロゴロあります。包装用の素材としてかなりイイ感じのものもあるにはあるのですが、やはり既製品は高い。三時間ぐらいかけて一通り見てみましたが、これってものには巡り会えませんでした。サンプルとしていくつか購入しましたが、とりあえずは手作り路線を試すことになりそうです。あとは台紙用のボール紙などがお手頃価格だったのでいくつか購入。

そしていざショールームへ。ここは随分とおしゃれなお店なのですが、A4一枚から売ってくれるし何千種類か分からないぐらい(もっとかも)の紙のサンプルが全て手にとって眺められるようになっていて、真剣に客のことも自分の商売のことも考えているという気迫が伝わってくるなかなかいい店でした。さらに嬉しいことにサイトで見た値段よりも、なんと三割ぐらい安いという嬉しい誤算も。直営店だから輸送や包装代の分をちゃんと割り引いているんです。立派。キネガワ堂も見習おう。

気分が良くなったところで秋葉原へ。ペットボトルのポカリスエットを飲みながら歩いて移動。ここの目当ては一つだけ、プリンタのマットブラックインクという、マット紙で黒が綺麗に出るインクの調達だけです。ちょこちょこ覗きたい誘惑に駆られながらも次の目的地、浅草橋へ。

ところが歩きまくって到達した浅草橋ですが、ここはかなり期待はずれでした。有名な問屋街ですし、ひょっとしたら包装用の意外な素材が見つかるかもと期待していたのですが、なんだか昔に較べると活気が全然ありません。水曜日というのはお休みが多いらしいですが、それにしてもなんにもなさ過ぎです。卸業とか最近は厳しかったりするんでしょうか?インターネットやディスカウントストアの出現で商売の仕方も変わりつつあるということなのかな、などと考えつつデッドストックの感じのいいバインダーをゲット。これは限定販売のセットプリントで利用できそうです。

かなりへとへとになったところでホームグラウンドに帰ります。とどめは百円ショップ「ダイソー」。浅草橋が廃れるわけです。問屋街より全然安い。ここでプリントサンプル用の封筒や手作り包装用の紙テープなどをゲット、アンド予定クリア。お疲れさまでした自分。帰りのペダルが重かったこと。ビールが美味かったこと。

追伸:帰ってきて早速テストプリントをしてみましたが、長くなるのでこれは明日にでも書きます。

プリント販売、ページはほぼ出来ました。
が、ギャラリーの様な見せるだけのページとは訳が違うのでまだアップできません。前にも書いたように包装がまだ決まっていません。あとはプリント用紙にもちょっと問題があります。両方ともかなりやっかいです。

包装のことはもう書いたので用紙のことを書くと、顔料系インクジェット(最近でてきた耐光性の非常に高いプリンタです)用の用紙というのはエプソンの純正紙しかないかと思っていたのですが、どうも他にもあってそちらの方が風合いや質感も良さそうなのです。値段はほぼ同じ。困ったのはそちらの用紙はバリエーションが豊富で、どの紙が相応しいのかは試してみないと分からないということです。一種類の紙が20枚セットで4000円以上します。

う?ん、どうしたもんだろ。
だいたいのアタリはつけられるので買ってテストプリントをしてみるしかなさそうです。でもこれの結果待ちということになると、公開はさらに一週間ぐらい(もっと?)延びてしまうことになってしまうかも知れません。やれやれ。

あと「天国への自動階段」の画像を全部新しくスキャニングしたものに統一して、さらに新しい画像を二枚追加しました。

プリント販売の包装・梱包の仕方がなかなか決まりません。梱包の専門店とか、写真のディスカウント大型店にいったり、もちろんサイトでも梱包資材サイトとか紙の専門店サイトとか文具店サイトとか、画材サイトとかいろいろと調べまくっているのですが、これってものがなかなかないのです。

機能は満たしていても、安くないお金を出して貰うのにこれじゃ寂しすぎるとか、見栄えはよくても商品の値段の三分の1が包装代っていうのは酷すぎるだろうとか、とにかく程良いものが全くない。

でもある程度の資金があれば実は悩む必要はなかったりするんです。500セットとか1000セットとかまとめて特注してしまえばいいわけですから、これだったらほぼ望み通りのものが出来ます。でもそれが出来ないのでとても困ってしまいました。これでいいものが見つからなかったら、いつものことですが手作り路線で行くしかなさそうです。そこそこの出来なら買ってくれる人は逆に喜んでくれそうですが、手間はかなりかかります。人件費の計算なんて、しちゃいけません状態です。最初は仕方ないかなぁ。

そもそも包むってどういうことなんでしょう?今回の場合には明らかに機能以上のことが要求されているということは確かなことのように思います。なぜならおとといも書いたようにそのままでは楽しみにくいような商品を売ろうとしているからです。といっても画鋲で壁に留めるような楽しみ方をするならそれで充分完成形にはなっているんですけど、値段が安くないという理由はやっぱり強力で、何千円も払ったようなものにいきなり穴を開ける人はやっぱりほとんどいないでしょう。

だから送る側は「この商品を私たちは大事に、そして喜んで貰えるように送らせていただきました」という意思表示を、包むことによって伝えなくてはならないのかな、と思うんです。そして出来ることなら、完成形ではなくてもその包まれた状態がある完成度を持っていれば、そこにはさらに説得力が生まれます。それは例えば一枚しか絵の入っていない画集になったり、飾らないときの保存ファイルになったりするようなことです。しかしここまで要求すると、たとえ手作りで行くとしても度を超してしまいそうです。

ここはやはり、基本は輸送時の作品保護において、そこに見栄えをプラス。ぐらいで押さえておくのが妥当なのでしょうね。その方が買う人だって安く済むわけだし。
もう何日か悩むことになりそうですが、とりあえず試作品でも作ってみようかと思っています。

風呂敷に丁寧に包んでプリントだけを直接渡して来るというお中元の宣伝みたいなのが、一番シンプルでいいんだけどなぁ。

今日はほとんどサイトの方はいじれませんでしたが、これからのキネガワ堂のラインナップについてはいろいろと思いを巡らせていました。それでなんとなく思ったんだけど、人って、特に現代の人はほんとにナマモノが苦手なんだなってことです。

これから始めるプリント販売ページでは資金問題がかなり厳しいので、額付きのプリントは考えていません。肉でいうと解体されてパッキングされてはいるけれど、そのままでは食えないような状態です。料理しなければならない。つまりナマモノですよね。僕は何でもナマモノの状態というのは結構好きです。だって自由だし、勉強になってその過程が楽しいし、そしてほとんどの場合安い。いいことずくめです。

だからといって出来上がってしまっているものが嫌いかといえばそういうわけではありません。これはとにかく楽だし、どんな風に他人が料理したのかを見るのも楽しいです。
で、現在の商品の主流は明らかにこちらなんだなぁ、ということをしみじみと感じたのです。最初のプリントはとりあえずナマモノとして売りますが、やっぱり「完成品」もそれなりには揃えたいので、どうしたら自分の出来る範囲で「完成品」が出来るかを真剣に考えてしまいました。ぼんやりしたアイデアはいくつかあります。でもどのアイデアも「絵描き」としての範疇に収まるようなものではないので、多少でも資金、もしくは技術や設備が必要です。今までだったらこういう部分はあっさり捨てていたのですが、その辺まで含めて自分の仕事として認識する必要があるのかも知れないと思い始めています。

でも葛藤はあります。多数の人がナマモノを料理することを楽しんでくれるようになったら、その方がどんなに面白いだろうと思ってますし。
だってどんなものであれ、その大元ではナマモノが本来の姿な訳ですから。

正直に言うと、僕は作品を買ってもらったことはあっても人の絵を買ったことがありません。

でも何度か買いたいと思ったことはあります。全部版画です。ピカソとかマチスとかウォーホルのすごくお安めのヤツ。といっても何万円ですが、もちろん元の版から起こしたようなものではありません。そんなのは買おうと思っても買えるような値段じゃないです。これが版画じゃなくてオリジナル作品になってしまったら、手の届くところには欲しいものなんて一つも見つからないです。

とにかく絵は高い。自分の作品だって自分で買えるような値段じゃないです。でもこれはほんとに仕方ないんです。今作っているページの方でこの辺のことは詳しく書きますが、ほんとに絵で食って行こうと思ったら、例えば一ヶ月仕事した作品にいくらの値段を付けなければならないかを考えてみて下さい。どう考えても10万円というわけにはいきません。
だからといって自分も買えないような作品を作っているのってなんか不健康な感じがして仕方がないんです。絵だって楽しんでこそナンボのものです。僕だって人の絵を画集じゃない形で楽しんでみたいです。

だからキネガワ堂のプリントは、もし他人がやっていたら自分でも利用したいと思えるものにと考えています。それでも絵のことを全く知らない人から見たら高いと思われるかも知れませんが、そういう人にも理解してもらえるように出来る限りの情報を載せるつもりです。

ところで今日は暑かったなぁ。
クーラーないので、夏は結構厳しいです。だいたいナントカ仕事になるのが32度。それを越えるとガクンと能率が落ちます。これで仕事しなくていいんだったら、クーラーなしで暑いのを楽しむのが理想的なんだけど、そうもいかないところがツライところです。

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